2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 福祉, 食育, 貧困

 

2022年度活動報告

本校は、「専門的な教育を通じて、生きていくために必要な事を身に付けさせ、キラキラする人財を育成する」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野※1を通して「生きていく力」の育成を目標としています。

SDGs推進活動

7月7日沖縄県ユネスコ協会主催「SDGs(持続可能な開発目標)パスポート」のキックオフイベントにオンラインで参加。県内小中学校8校の生徒達が参加し、SDGsパスポートの活用方法を学びました。
参加した生徒からは「ポイントを30ボランためると先輩方のように認定証を取得できる仕組みがわかりました」「社会で起こっている様々な事を自分事として考えていくきっかけになったイベントでした」という感想がありました。

 

ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野

①地球市民および平和と非暴力の文化

【6月】「平和学習会」

毎年、沖縄県ユネが主催している「平和の鐘を鳴らそう!」「平和学習会」で県内の高校生と一緒に平和について学んでいます。今回は急遽オンライン参加になりましたが、それぞれが離れた場所でが平和について考える時間として向き合いました。
=生徒の感想=
・僕たちが今後できる事を深く考えることにきっかけになりました。
・沖縄キリスト教学院大学教授の新垣先生が講座の中で、ジョンレノンさんのimagineを流してくれて、歌詞”I’m not only one”が印象に残りました。沢山のことを考えさせられた日でした。
・戦争は人の心から生まれるものだから、心の平和を築いていくことが大切だと分かりました。お互いが信頼し合い、話し合うことで平和が築かれていくと聞いて、私も友人や家族などを信頼し、話し合うことを意識するようにしたいと思いました。
・戦争を無くすことは難しいことだと思うけど一人一人が平和を願うだけではなく行動することが大切だと思ったので、私も自分に出来ることを見つけて行動していきたいです。

 

【6月】校内平和学習会

6月20日に全校生徒で糸満市・平和記念資料館に向かいました。本校では毎年6月に平和学習を企画しています。コロナ禍の影響によりオンライン平和学習会が続きましたが、今年度は感染症対策を行った上で、戦争体験を語り継ぐ場として設立された平和記念資料館を全校生徒で訪問しました。平和記念ホールでは、ウクライナピースメッセージのワークショップに参加した3年生によるプレゼン(沖縄戦、ロシア・ウクライナ戦争について)、平和記念資料館学芸員による平和講話を聴きました。3年生は事前学習を行った上で分かりやすいパワーポイントを作成し、プレゼンを行いました。プレゼンは平和を求める気持ちに溢れ、1,2年生に影響を与えていました。今、私たちがしっかりと聴いて、見て、語り継いでいくことの大切さを実感した日でした。

【7月】ウクライナピースピースメッセージワークショップ

7月4日、3年生4名が富山県、東京都、広島県のユネスコスクール加盟校の生徒とともに「ウクライナピースメッセージ ワークショップ」に参加しました。このワークショップは同じユネスコスクールである山陽女学園高等部(広島県)・山本さん(高校3年生)からの呼びかけがきっかけです。
昨今のウクライナ情勢について、一人ひとりが思ったこと、伝えてみたいことを気軽に話せるような環境で、若者だからこその柔軟なアイデアや、学生どうしの意見交換、交流を重視した場になりました。生徒達は今回のワークショップ参加にあたり、積極的に事前学習を行いました。ユネスコスクールの高校生との交流は初めての試みでしたが「話し合うことの大切さを感じた、自分の意見も伝え、相手の意見も尊重することが解決に繋がるのではないかと考えた」「事前に調べた情報を相手へ伝えることができたし、相手からも新しい情報を得ることができてとても有意義な時間でした」と振り返りました。

②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル

【通年】ゴミ拾いのマップづくり

毎週金曜日に行われるユネスコクラスのゴミ拾い活動。どんなゴミがどこに落ちているのか振返ってマップづくりをしています。

【1月】世界寺子屋運動「書き損じハガキ回収キャンペーン」

本校では毎年年末から2月にかけて「ユネスコの書き損じハガキキャンペーン」に取り組み「書き損じハガキ」ボックス回収を終了しました。
コロナ禍の中ではありますが、多くのご協力のおかげでハガキやプリペイドカードが集まりました。

③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重

   

【3月】パラオ共和国とのオンライン交流会

NPO 法人沖縄平和協力センターからの依頼を受け、「島しょ地域青年交流プログラム」に参加しました。これからの対日関係を担う人材を養成する事業で、当初はパラオ共和国の青年 3 名を日本国内(沖縄県内)に招聘し、同世代との交流や講義、視察などを通じて、島しょ地域が抱える共通課題の認識・相互理解の促進と、地域特有の課題解決に貢献できる人財の育成を目指していました。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、招聘が困難となり、代替プログラムとして沖縄県内の高校生とパラオの大学生とのオンライン交流を実施することになりました。
今回のパラオ共和国・大学生との交流会に向けて、2 年生がチームで、沖縄の文化などを紹介する動画を制作しました。パラオは、西太平洋のミクロネシア地域に位置する 500 以上の群島からなる国で沖縄との共通点も多く、生徒は多くの学びを得ました。

【2月】沖縄伝統芸能「組踊」鑑賞

キャリデザインコースでは国立劇場沖縄で組踊「執心鐘入」を鑑賞しました。ユネスコ文化遺産でもある伝統芸能を鑑賞することは、ユネスコ活動の一環にもなり、地元の文化、芸能への理解が深まった課外授業になりました。
沖縄の伝統芸能のひとつである組踊。
意外と地元沖縄に住む私たちにとっては馴染みが薄い伝統文化であるということもあり、事前学習を行った2,3年生。当日は興味津々で見入っていました。
< 生徒の声 >
・今回の学習で組踊が好きになりました。家族を誘って他の作品を鑑賞しようと思います。母も興味を持ってくれたようで次回がとても楽しみです。
私のように学校の授業を通して組踊の魅力に気づく人もいるはずです。継続してほしい課外学習だと思います。素敵な機会をありがとうございました。
・演じている役者さんはみんな男性だと思えないぐらい綺麗でした。予想よりも短い演目でしたが面白かったです。組踊を鑑賞する前にちゃんと観るポイントや特徴を教えてくれる時間があり、組踊の楽しみ方が分かりました。

【10月】「おきなわ国際協力・交流フェスティバル2022」参加

10月29日に浦添市 JICA 沖縄で開催された「おきなわ国際協力・交流フェスティバル 2022」にスポーツコース(女子バスケットボール専攻)の生徒達が参加しました。

フェスティバルは、沖縄県内の団体や JICA 沖縄による国際協力・交流を沖縄県民に紹介するとともに、国際協力・交流のセミナー・イベントや多国籍料理の提供を行い、沖縄県内の国際協力・交流の活性化および沖縄県民の国際協力・交流への理解・参加を促進するものです。
第7回世界のウチナーンチュ大会のメインイベントのひとつとして位置づけられ、JICA沖縄の施設/HP 等でのハイブリッド型で実施されました。
=生徒の感想=
たくさんの外国の方がいて、衣装や楽器、料理などその国ならではのものをたくさん知ることができ、英検対策で学んだ英語を活かして質問をしてみたり、英語での説明を聞き取ったりしました。沖縄の移民クイズではみんなで答えを考えて沖縄の歴史について深く考え知ることができました。
食堂ではアルゼンチン料理を食べることができて、日本食とは全く違う味を楽しむことができ、とても充実した体験になりました。

・今回、国際協力・交流フェスティバルに行って、様々な国の暮らしの体験をさせてもらいました。私自身、現在の生活をあたり前のように送っていましたが、世界各国ではすべてが日本のような生活ではないことに気づかされました。毎日使う水を得るために1日何十往復をしていたり、もの一つがどれぐらい手をかけて作られているのか、世界からどんな食べ物が日本に輸入されているのか知ることができました。
・多国籍料理を食べたり、文化に触れ合ったり、普段は体験できないようなことができました。これからもあたり前の生活が普通ではないということを頭に入れ、毎日を大切に生きたいと思います。
・JICAに行って見たことのない民族衣装や楽器に触れ、外国の料理をいただき、外国の方々と交流してきました。水を頭に乗せて運ぶ体験や、ゲームなどをしてみて、水のありがたさを学んだり、各国それぞれの魅力などを感じました。
また、外国の方々もすごくフレンドリーで一緒に写真を撮ったりできてとても良い機会でした。

【10月】沖縄の歴史を学ぶ授業

10月30日は「第7回世界のウチナーンチュ大会」の前夜祭でした。「世界のウチナーンチュ大会」は、沖縄県の貴重な人的財産である世界各地の県系人の功績を称えるとともに、県民との交流を通してウチナーネットワークを拡大・発展させ、さらに母県である沖縄に集い、そのルーツやアイデンティティーを確認し次世代へ継承していくことを目的とした大会です。

沖縄の世界遺産クイズを通して、地元沖縄の歴史を学びました。

授業を通して、人々はこれまでどのように生きてきたのかを学び、自分の原点である沖縄に誇りを持って、新しいことを取り入れていく柔軟さを身に着けた「沖縄人(ウチナーンチュ)」を育成していきたいと思います。

【10月】「世界のウチナーンチュ大会」ボランティア参加

(ボランティア活動が始まる前の国際通りにて)
沖縄県ユネスコ協会より案内があり前夜祭パレードのボランティア活動に参加しました。国際通りでは立ちっぱなしで疲れもありましたが、賑やかで楽しいパレードの雰囲気も感じたボランティア活動でした。

来年度の活動計画

●世界寺子屋運動「書き損じハガキ回収キャンペーン」
●「世界の子どもにワクチンを」不用品を回収しワクチン募金
●沖縄の歴史、文化を知る。(沖縄伝統芸能「組踊」鑑賞・伝統工芸品「壺屋焼」博物館鑑賞など
●平和学習(沖縄の終戦から学ぶ、沖縄から世界平和を発信する)
●JICA国際協力センター訪問、ワークショップ(世界の現状を学ぶ、水の大切さを学ぶ)