2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「地域を知り、地域に愛着と誇りを持つ」を活動テーマとして、ESDで地域に根ざした学習活動を行っている。ESDの実践を通して児童の郷土を愛する心と実践力の育成を目標とした。

具体的には、生活科、総合的な学習の時間、学校行事を柱に、①池ヶ原湿原の生態調査に係わる活動、②池ヶ原湿原の環境保全に係わる活動、③地域の方との交流を深め発信する活動を行った。

① 池ヶ原湿原の生態調査に係わる活動

県自然保護センターの協力を得て、以下のような活動を行った。

5月に、全校で池ヶ原を訪れ、生き物の採取・観察、植物の観察を行った。絶滅危惧種であるオオコオイムシやアカハライモリなど、今年度も貴重な生き物を守っていくことの大切さを再確認した。また池ヶ原湿原の現在と氷期の湿原植生を再現した二つのジオラマを作成している。現在のジオラマには生息する生きものカードや旗などを付け加えるなど、説明の方法にも工夫を加えた。

② 池ヶ原湿原の環境保全に係わる活動

池ヶ原湿原で昨秋に刈り取ったヨシを使い、ストローを作った。この活動は湿原の環境を保全するだけでなく、プラスチック問題を改善するための要素も含んでいる。作成したストローは湿原の近くにある飲食店に寄贈したり,修学旅行先の京都で外国の方に英語で話しかけながらプレゼントしたりして、取組の成果を発信した。

③ 地域の方との交流を深め発信する活動

本校で60年以上継続して行っている伝統行事の「フキとり」に地域の方,高齢者連合会等,各関係機関の方々に協力していただいている。今年は、地域の宝であるフキをより多くの方に知っていただくため、その販売にも力を入れた。地域の方と一緒に活動する中で、フキについての知恵や技を教えていただきながら交流を深めている。

自分たちの学習の成果について、学習発表会などで地域の方に発信するという交流も続けている。今年度は勝山市のジオパークまちづくり課との連携も深め、市のジオパーク認定にかかる審査会や市の主催する環境フェスタでの事例発表と、より多くの方々に発信する機会を得た。プレゼンテーション用のスライドに,ヨシストローやジオラマの実物も提示しながら発表を行った。これまでの継続的な取り組みとヨシストローのPRについて広く発信した。

地域との様々な交流を積み上げ、地域を大切に思う心の育成に努めている。

来年度の活動計画

池ヶ原湿原に関わる活動について、児童が主体的に取り組むことができるよう、県自然保護センターをはじめ関係各専門機関と連携しながら内容を充実させていきたい。

今年度、日本遺産に認定された平泉寺についても一乗谷朝倉氏遺跡とも交流しながら学びを進めて行きたい。市役所のジオパークまちづくり課や文化財保護室の協力を得ながら学習を進めていきたい。

また、これらの学習の成果を地域や他のユネスコスクールに発信することに、さらに力を入れていきたい。