2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境

鹿島台小学校では,平成14年に「シナイモツゴ」の里親になり,平成15年6月から「シナイモツゴ郷の会」の方々の支援をいただきながら,「シナイモツゴ」を第4学年の総合的な学習の時間の活動テーマとして取り上げ,「シナイモツゴ」の飼育と保護の活動を通して環境教育を進めています。
「シナイモツゴ」を通した環境教育
学習活動の目的は,「地域の宝である『シナイモツゴ』の飼育と保護活動を通して,地域を見つめその良さを知り,地域を愛する心を育てながら,同じ絶滅危惧種の住む宮城県や日本・世界の環境に目を向けさせる」ことです。
環境教育は,4年生の総合的な学習の時間で1年間を通して実施し,次年度の4年生(現3年生)に活動報告を行って引き継ぎます。活動内容は以下の通りです。
【1学期の活動】
1学期は,「シナイモツゴを知ろう」ということから活動を始めます。シナイモツゴについて,昨年度から引き継いだことを参考にしながら飼育と観察をします。5月には,シナイモツゴ郷の会の方を講師にお迎えして,学級ごとにシナイモツゴの生態や飼育の仕方について教えていただきます。ここで詳しくシナイモツゴについて知ることになります。この郷の会の方の指導を受けて,本格的な飼育と観察活動が始まります。
また,学校には水槽の他に校庭に飼育池があり,6月以降に郷の会の協力により,植木鉢に産みつけられたシナイモツゴの卵を飼育池の中に設置して里親としての活動も始まります。
その他,郷の会の皆さんには,学級毎にシナイモツゴの保護活動や飼育及び絶滅危惧種や天敵となる外来種の駆除などの話を,映像や具体的な資料をまじえて教えていきただきました。郷の会の活動は,地域の環境保全などの活動も行っており,9月には,シナイモツゴの稚魚の放流が鹿島台地区のため池で行われ,児童全員が参加して放流活動を行いました。
このような活動を通して,児童はシナイモツゴの飼育活動とあわせて総合的な学習の時間での学習課題について,シナイモツゴの飼育・保護,環境,絶滅危惧種,天敵などのキーワードをもとにしながら考えました。
夏休み後は,児童が個人ごとに設定した課題について,自主的に調べながら解決していく活動と,似たような課題を設定した児童同士でグループを作り,3年生への発表の準備を行うことにしました。
児童が課題して設定した内容は以下のようなものです。
① シナイモツゴの飼育の仕方について
② シナイモツゴの生態(性質,生息場所など)
③ シナイモツゴの産卵について(産卵数,産卵時期,水温など)
④ シナイモツゴのような絶滅危惧種について
⑤ シナイモツゴが減った原因
⑥ シナイモツゴ以外に川や池に生息する生き物
⑦ 天敵としての外来種(ブラックバス,ブルーギル)

【2学期の活動】

課題解決のための調べ活動は,書籍とコンピュータを活用しながら調べています。例年2学期後半は,冬休み後に行う3年生へのシナイモツゴの引き継ぎを兼ねた発表会に向けて,児童の課題解決の状況を確認し,課題の内容に応じてグループを作り,発表の準備を進めますが,今年度は,新型コロナウィルス感染症対策のため,3年生への引継ぎを兼ねた発表は実施せず,個人毎のまとめと発表を予定しています。

 

来年度の活動計画

次年度も,4学年の総合的な学習の時間のテーマとして,「鹿島台の宝」シナイモツゴの学習を進め,「シナイモツゴ郷の会」の指導と支援を受けながら,地域の人々と共にシナイモツゴの保護活動を継続、実践していく。
また,今年度活動した子供たちは,5学年の総合的な学習の時間のテーマである「田んぼのこころ」の学習に取り組む。その中で,地域の自然や生き物が住む環境を守ることが,農業の仕事にも繋がっていることに気付くことができるよう,この活動と関連させながら進めていく。