2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, ジオパーク

本校は、2013年にユネスコスクールに加盟し、本年度で9年目を迎える。今年度も、「磨こう自分 仲間と共に 未来に向かって」を学校教育目標とし、子どもたちが30歳になった時のあるべき姿を見定め、持続可能な社会の担い手として自己実現できる能力を育む教育を目指して日々教育活動に取り組んでいる。
具体的には、環境、世界遺産・地域の文化財等、人権・平和を柱として、ESDの実践を各教科や特別活動と相互に関連付け教科横断的な実践を重ね、(1)山陰海岸ジオパークに係わる学習、(2)環境、海洋教育に係わる学習、(3)地域の自然と文化財に係わる学習、(4)人権・平和に係わる学習、(5)地域の産業に係わる学習を行い、地域と深くかかわり多面的、総合的に考える力の育成に取り組んでいる。

(1)山陰海岸ジオパークに係る学習(2年生・4年生・5年生)
2年生は「ジオパークと海の文化館」(兵庫県香美町)、5年生は「玄武洞ミュージアム」(兵庫県豊岡市)「兵庫県立こうのとりの郷公園」(兵庫県豊岡市)などの山陰海岸ジオパークエリアの見学や現地学習を行った。その地形や成り立ちや歴史、地域の環境保全活動などについて学ぶことで、自然の大切さや美しさを感じることができた。
4年生は「山陰海岸ジオパーク 海と大地の自然館」(鳥取県岩美町)で日本海の生物や海岸の形成について参加型学習を行い、ごみ問題や温暖化などの環境問題にも目を向け、これからの自分たちの生活の在り方について考えることができた。

(2)環境に係わる活動、海洋教育(3年生・5年生)
3年生は、校区内を流れる小田川の環境を守る地域の取組みについて学習をし、サケの稚魚の飼育・放流を通して、環境問題にふれるとともに、ふるさとの山や川を保全することの大切さを学んだ。ただ、新型コロナ感染症の影響を受けて、児童がサケの稚魚を放流することができなかったのとても残念であった。
また、5年生は海洋教育パイオニアスクールの指定を通して、海の美しさを体験する山陰海岸でのシーカヤックや海岸周辺のごみ拾いを通して、地域にある世界ジオパークに愛着を持ち、将来も守っていこうとする心情や実践力の育成に努めた。

(3)地域の自然と文化財に係わる学習(全校)
本校校区は豊かな自然と歴史ある建造物や史跡なども多く、折に触れ地域へ出かけ親しみ理解を深めている。全校で地域の方やJAの方と一緒に田植えや1・6年生は稲刈りを体験した。また、2年生・3年生は地域探検を通して、地域の地形や産業について調べ学習などに取り組んだ。これらの学習をきっかけに受け継がれてきたことやそこに携わる人々の思いを知ることで、地域の自然や文化を守ってこられた人への尊敬の念や自分たちの住む町に対する愛着を持つことができた。

(4)人権・平和に係わる学習
全学年において人権に係わる学習を行っている。特に6年生においては、総合的な学習の時間の中で、ユニバーサルデザインやハンセン病などの個別の人権問題、沖縄県国頭村との交流を通して平和についてのリモート交流学習に取り組んだ。そして、学んだことを学習発表会で紹介した。

(5)地域の産業に係わる学習(3年生)
岩美町の特産品の一つである梨の栽培の学習を行った。地域のJAの方や高校生にも協力していただき、梨を育てる苦労を通して収穫の喜びや達成感を味わうことができ、感謝の気持ちをもちながら活動することができた。

来年度の活動計画

【環境】
地元の小田川の環境に関する調査を通して、安全できれいな水を維持・確保していくことの大切さを理解し、サケの生息する川や米を生産する水田を守っていこうとする態度を育てる。

【世界遺産・地域の文化財等】
岩井焼体験を通して、郷土の伝統文化について学ぶ。
山陰海岸ジオパークエリア、横尾の棚田、旧岩美鉱山、唐川のカキツバタ等を見学し、自然の美しさや生物の多様性などについて学ぶ。
地域探検、地域の方との交流を通して、地域の素晴らしさや受け継ぐ人の思いを学び、地域への親しみを持つ学習を計画する。

【異文化理解】
諸外国の小学校との交流を通して異文化理解を行う。また、外国の人を招き、生活や文化の違いについて学び交流を深める。

【人権・平和】
様々な人権課題について学ぶ機会をつくり、人権感覚を豊かにするとともに自分も他の人も大切にするという人権のあり方について学ぶ。