2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 減災・防災, 食育

本校では,これまでに地域の豊かな自然や産業との関わりを中心として,農業体験やそれに伴う食育学習に取り組んできた。そこで,さらに地域を見つめ直し,持続可能な社会づくりの担い手を育む教育(ESD)を推進し,地域を理解し,地域の方々と手を取り合って地域の環境を大切にできる子の育成を目ざしたいと考えた。

  特に農園活動では,以前から学校農園で季節の野菜を育て,食してきた。農家の方,PTAの方,老人会の方の協力・支援を受けながら,子どもたちは栽培の楽しさや苦労を知るとともに,収穫の喜びを感じることができた。また,これらの活動を支えてくださった方々への感謝を表す会を催し,お世話になった方に対する親近感や尊敬の念を抱いてきた。

  これらの活動をESDの活動推進に結びつけていくために,生活科・総合的な学習の時間を中心に教育課程を見直し,これまで以上に地域の自然や産業,人々の関わりを意識的に教育活動に組み込んでいきたい。そうすることで,ふるさと細谷を愛する心が育まれ,地域の環境にも目を向け,「大好きだよ,緑いっぱいの細谷」と胸を張って言える子が育っていくと考えた。

そのために,本校では30年度は次の3つの活動を柱として学習を行った。

① ふるさと細谷の環境や命を見つめる活動

・4月26日(木)海岸避難訓練

地震による津波発生時に迅速に避難できるように海岸からの避難訓練を実施した。

・6月16日(土)細谷いのちのプロジェクト

    命について考える日の一環として,本年度も,海岸活動を行った。
全校児童・PTA・地域が一体となって,海岸での活動を実施した。まず,砂浜での海岸清掃活動を通して,海岸の自然を守ろうという意識を高めた。その後,親子海岸レクリエーションを行った。子どもたちは6年生をリーダーとする縦割り班で活動し,保護者や地域の方も応援して,砂山作りに汗を流した。当日実施予定だった地引き網は,天候に恵まれず,残念ながら実施できなかった。

・6月22日(金)防犯教室

不審者が学校へ侵入した場合,職員はどのような対策をとったらよいかという訓練を警察官の指導のもと行い,その後子どもたちが自分の命を自分で守るためにどのような行動をとるとよいかを考えたり,実際にロールプレイを行ったりした。

① ふるさと細谷の自然を活かした食農教育活動

学校農園で夏野菜,冬野菜の栽培を行った。春の畑の準備には,地域に住んでいる畜産農家の方から堆肥をいただき農園にまいた。その後,耕うん・畝づくりを地域の方の協力で行った。それぞれの学年で栽培する作物を決め,苗や種から育てていった。台風による相次ぐ被害で,収穫は例年に比べると少なかった。収穫後の作物は,学年でそれぞれ調理し,食べることができた。

  また,今年度も地域の方の畑をお借りし,全校でサツマイモの栽培も行った。サツマイ

モは,縦割り班で植え付けを行い,収穫後は家庭へ持ち帰ったり,学年ごとにサツマイモ

料理を考えたりしておいしくいただいた。

5年生は昨年同様,地域の老人会の方の田を借りて稲作を行った。今年度は収穫後,販売の方法を話し合って地域の方に買っていただいた。また,お世話になった老人会の方々を招き,五平餅を作って楽しく会食することができた。

② 細谷の地域・学校を花いっぱいにする活動

パンジー・ビオラを種から栽培し,地域の施設やお世話になった方々にプレゼントする活動を続けている。児童は,9月に種まきを行い,小さな種の一粒一粒を丁寧に捲いていく。そして,10月にはポット鉢に植え替える。

地域の施設には,ポット鉢に植え替えたものを50鉢程プレゼントし,植えていただくようにしている。例年,花が咲き始めると10号鉢に寄せ植えをして,お世話になった方々に「感謝する会」でプレゼントをしている。さらに,「子ども110番の家」の方や農園でお世話になった方にもプレゼントをしている。今年度も花いっぱいの細谷校区になるように地域へパンジーの花を届けた。

来年度の活動計画

子どもからの主体的な学びになるようにカリキュラムを工夫していく。

 1~3年は生活科や社会科と絡めて野菜作りを継続,高学年は縦割り活動や行事,また地域との関わりがもてる活動を意識して取り入れていくようにしたい。

 具体的には,30年度と同じく,

① ふるさと細谷の環境や命を見つめる活動(細谷いのちの日,海岸活動)

② ふるさと細谷の自然を活かした食農教育活動(夏・冬野菜の栽培)

③ 細谷の地域・学校を花いっぱいにする活動(パンジーの花づくり)

を継続し,内容の充実を図る。