2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育

羅臼町では基幹産業である漁業の水揚げ量・水揚げ高はともに年々減少しており、高校を卒業後、ほとんどの生徒が町外に出てしてしまう現状がある。こうしたことから本校では、知床世界自然遺産を有する、ふるさと羅臼の魅力を再認識して、羅臼への理解を深めるとともに、自ら羅臼のためにできることを考察する力や、学習をとおして考察・構想した内容を主体的に提案・発信する力を高めて、将来の羅臼を支えることができる人材を育成することを目標とした。
具体的には、①自然環境に係る学習、②創作料理活動に係る学習、③ボランティア活動を実施し、地元の理解を深め、地元を愛し、地元のためでできることを自ら考察する力を育むことを目指している。

① 自然環境に係る学習
第1学年では全員を対象とした「知床学Ⅰ」において、羅臼町教育委員会、羅臼漁協等、地域の関係機関との連携・協力により、世界自然遺産である知床半島の特徴や生息する生物についての基礎知識を身に付けることができた。
第2学年の選択科目である「知床概論Ⅱ」では、知床半島の独特の地形によって、貴重な生物が多数存在することや、川や海の周辺に生息する動植物や海と森をつなぐ豊かな自然についての学習を深めることができた。
第3学年の選択科目「海洋生物」では、ダイビング実習をとおして根室海峡に生息する生物の資源としての有用性や持続可能な利用のあり方についての理解を深めた。また、総合的な探究の時間では、マイクロプラスチックゴミについての調査研究を行った。

② 創作料理活動に係る学習
豊富な魚介類に恵まれている漁業資源をとおして、持続可能な地域産業に関わる人材の育成に取り組むことを目指している。今年度の本校の創作料理プロジェクト実践研究は、羅臼漁業協同組合などとの連携により、地域の食材を生かしたメニューで地域のイベントに参加するなど、地域振興を図るとともに、地域の価値を改めて理解する機会となった。また、羅臼町内の企業との連携により、水産加工品のパッケージデザインの開発も行った。
地域住民からは、産業活性化の観点から高校生らしい商品開発であるという評価を得ている。

③ボランティア活動
生徒会が中心となり有志生徒による町内国道、海岸にて「知床ゴミゼロ活動」を実施した。参加生徒は、住みよいまちづくりに貢献するとともに、SDGsへの意識を高めることができた。

来年度の活動計画

生物多様性、海洋、環境、世界遺産、持続可能な生産と消費、食育の観点から次の教育活動を展開する。
① 自然環境に係る学習
第1学年の「知床学Ⅰ」において、知床半島の特徴や生息する生物についての基礎知識を身に付ける。
第2学年の「知床学Ⅱ」において、知床半島の独特な地形によって、貴重な生物が多数存在することを理解するとともに、ふるさと羅臼の魅力を再認識して、自ら羅臼のためにできることを考察する力を身に付ける。
第3学年の「海洋生物」において、学習をとおして考察・構想した内容を主体的に提案・発信する力を身に付ける。
こられの学習内容について、羅臼町一貫教育「学習成果発表会」において発表し、他校種の児童・生徒への普及を図る。
② 創作料理活動に係る学習
4月~6月 商品開発のための試作準備等を行う。
7月~2月 地域の食材を生かしたメニューで地域のイベント等に参加し、地元羅臼の広報を行うことで、地域復興の一翼を担う。
③ ボランティア活動
5月 地域の各関係機関や住民と連携した「知床ゴミゼロ活動」を知床周辺のユネスコスクール指定校である標津高校・清里高校・斜里高校と同時開催し交流・連携を深める。