2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, 福祉

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,当初に計画されていた活動が実施できなかった。本年度の活動は以下のとおりである。

ESDを伝統文化の継承と地域貢献と捉え,現在,そして将来も地域の中で活躍できる力の育成を目標とした。また地域に留まらず,世界にも目を向けてほしいと考えている。平成29年度より始めた「プロジェクト~継(KEI)~」を柱に,①伝統文化の継承にかかわる活動,②地域貢献にかかわる活動,③国際理解教育にかかわる活動を行った。

① 伝統文化にかかわる活動 「プロジェクト~継(KEI)~Ⅰ」

ア チーム祇園(3年生の学び)

コロナ禍で,祇園祭で例年行っていたごみ袋やチラシの配付等のボランティア活動はできなかった。出前講座では,祇園祭の歴史等について学んだ。今年度は新たに,希望者による手筒花火奉納の観覧,ならびに豊橋祇園祭奉賛会の方を講師に招いて,学年全員によるミニチュア手筒花火づくりを行い,地域文化にふれることができた。

イ チーム鬼(2年生の学び)

ボランティアによる郷土玩具のお面づくりを行うことはできなかった。出前講座では,安久美神戸神明社の鬼祭で使用する面を新しく作った能面師を招いて,過去から未来へ多くの方々が関わり,思いをつないでいくことで,鬼祭が行えているという話を聞いた。鬼祭の準備として,たんきりあめの袋詰めと紙垂(しで)づくりを行った。

ウ チーム文楽(1年生の学び)

校区にある市指定無形文化財「飽海人形浄瑠璃吉田文楽保存会」の方々から,歴史や人形浄瑠璃のしくみ,動かし方について学ぶ活動を行った。

2・3年生の音楽授業に人形浄瑠璃の学びを取り入れ,その理解を深めている。

② 地域貢献にかかわる活動

ア エコキャップ回収活動

ペットボトルキャップ(エコキャップ)を回収してワクチンに替えてもらう,平成20年度から続いている常時活動である。伝統的に行ってきた取り組みではあるが,エコキャップをワクチンに交換できなくなったことや,新型コロナウイルスの蔓延により,生徒による市役所からの回収活動を中止したことなどから,来年度以降の回収活動を取り止めることにした。現在,生徒会執行部や福祉委員会を中心に,エコキャップ回収活動に変わる持続可能な活動を模索している。

イ 福祉学習会

部活動のない月曜日と木曜日の授業後の時間をつかって,有志生徒による「福祉学習会」を行った。「手話」と「点字」の二つのグループに分かれて活動した。

ウ 豊川クリーン作戦

隣接する豊橋公園のボランティア清掃から始まった自主清掃活動が,平成30年度より,全校生徒が参加する活動になった。本年度も豊橋公園だけでなく,学校の隣を走る国道沿いの歩道や豊川(1級河川)沿いの遊歩道を清掃した。

③ 国際理解教育にかかわる活動 「プロジェクト~継(KEI)~Ⅱ」

本校は,1987年から中国の南通市第一中学校と友好提携を結んでいる。2016年に使節団が来校したことを機に交流が再開し,「プロジェクト~継(KEI)~Ⅱ」の取り組みとして,本校生徒の国語,理科,美術の作品を送っている。作品交流として届いた中国の生徒作品を見ることで,海外の文化にも興味をもってほしいと考える。

来年度の活動計画

・4月に「プロジェクト~継~」推進委員会を開き,地域の協力者と学校関係者で一年間の活動について考える。そこで三つのプロジェクト,それぞれの出前講座を含む日程,活動内容を打ち合わせる。

・4月中に全校生徒に,「プロジェクト~継~」の年間活動計画を紹介する。

・5月から各学年の企画委員を中心に,ボランティア活動を企画し,有志生徒で地域の活動に積極的に参加する。また「豊橋祇園祭」,「豊橋鬼祭」,「吉田文楽」のそれぞれにかかわり,活躍している地域の方を講師として招き地域文化の学びを通して考えを深める。

・エコキャップ回収活動に替わる持続可能な活動を話し合い,新展開する。

・希望者参加による福祉学習会を年間通して行い,福祉に関する理解を深める。

・10月末から11月上旬の時期に,豊川クリーン作戦を行う。

・12月中旬から1月下旬の期間に生徒作品を南通第一中学校に送り,交流を継続する。