2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 国際理解, 平和, 福祉, その他の関連分野

 本校は、「伝統文化の継承と国際理解」を活動テーマとして様々な活動を行っている。伝統文化の継承に関しては、古くは60年以上前から学内における伝統文化行事を実施し、現在も継続しており、日本の伝統を重んじ、愛国心を培う生徒の育成を目指している。また、国際理解においては、特に姉妹校との交流を中心に国際感覚を養う行事を実施した。修学旅行でのオーストラリア姉妹校訪問や、タイ姉妹校からの長期・短期留学生受け入れなど、なるべく大人数が国際的経験を積めるような環境作りを常に意識している。
 また、毎年平和教育を意識した、九州修学旅行やボランティア教育を意識した、全クラスでの緑の羽根共同募金や赤い羽根共同募金を行っている。また地域とのつながりを大切にし、学校周辺の清掃活動も実施している。
 
  伝統文化の継承に係わる学習

 毎年、1年で最も寒いとされる大寒の時期に心身を鍛えること、また日本の伝統文化を継承することを目的として行っている。今年度は1月9日(水)~11日(金)の3日間、本校にて60年以上前から伝統的に行われている「寒稽古」を実施した。男子が柔道または剣道、女子は武道ではないが、訓練としてなわとびを実施している。全校生徒が厳しい寒さに負けず、大きな掛け声を出して寒稽古に臨み、自らの精神を鍛えることができた。
 3月2日(土)には、日本の伝統行事「ひなまつり」を実施した。ひなまつりは、女子の健やかな成長を祈る伝統行事ではあるが、男女問わず1,2年生全員が参加してその意義を再認識した。近隣の保育園児を招待して一緒に歌を歌ったり、クイズ大会をしたりした。
 7月6日(土)には「七夕まつり」として「七夕フェスティバル」を行った。各クラス1本、大きな笹に趣向を凝らした飾りを、特別支援学校の生徒たちや、近隣保育園児と協力して飾り付け、学校の敷地内に計47本立てかけた。
 このように、伝統文化行事を通して、高校生以外の生徒園児と触れ合うことで地域社会への貢献も行っている。


  国際理解に係わる学習

 姉妹校提携を結んでいるオーストラリア パース市にある2つの高校と、毎年短期交換留学を実施している。今年度は、10月20日(日)から30日(水)にかけて本校から7名の生徒がセークリットハート高校への短期留学に参加した。現地ではホームステイをし、授業を受けたり観光したりした。また、12月5日(木)から11日(水)にかけて、マータダイ高校から6名の留学生を受け入れ、日本人バディと授業へ参加したり福井県内を観光したりした。バディだけでなく、学級全体が交流を図ることで異文化を身近に感じることができた。
 本校では、6年前よりタイ王国からの就学生を受け入れており、今年度は1年生から3年生まで合計19名が通常学級に在籍し、他の日本人生徒と共に勉学に励んだ。また、その留学生に対して日本語指導教員による日本語特別授業を実施した。


  平和に係わる学習

 2月に2年生がオーストラリア方面と九州方面への修学旅行を選択制で実施しており、オーストラリアは国際理解教育を、九州は平和教育を意識している。九州では、知覧特攻平和会館や長崎原爆資料館を見学し、語り部の話を聴講することで、命の尊さと戦争の悲惨さについて、再認識することができた。


  ボランティアに係わる学習

 5月に緑の羽根共同募金を35434円、12月に赤い羽根共同募金を25043円行った。
10月にはふくいユネスコと協力し、チャリティ茶会に本校の茶道部が参加した。

来年度の活動計画

本校はESDに対する取り組み目標として、「伝統文化の継承と国際理解」を掲げており、伝統文化の継承に関しては全校活動として実施することができているが、国際理解に関しては、いまだ一部の生徒での活動にとどまっており、全校的な国際化への意識が高まっていないのが現状である。今後は日常の学校生活への国際色を強めていき、将来世界を舞台に活躍する生徒を育成していきたい。
また、ESDやSDGsへの理解を教員全体でさらに広め、地域社会と協力し、生徒の実態に即した活動に努めたい。