2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野

本校は、「異年齢集団活動による探求力・問題解決力の育成」をテーマとしてユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「生きる力」の育成を目標とした。ユネスコスクールが提唱する「育てたい7つの力」を、本校では「6つの能力・態度」として、それらを「生きる力」とらえ「6つの能力・態度」の育成を目標とし活動に取り組んだ。これらの6つの能力・態度を育成するため、学校生活において「6つのスキル」①コミュニケーションスキル、②情報収集スキル、③比較スキル、④仮説スキル、⑤類推スキル、⑥分類スキル)を意識的に使用するよう指導を行った。

本校では、総合的な学習の時間で「深一学」を行っており、その「深一学」の中でESD教育を行っている。異年齢集団(3年生から1年生の混成グループ:縦割り)を作り、グループで社会問題などのテーマを選択し、課題解決に向け探求学習を行う問題解決型の学習を行った。学習の具体的な流れとしては、①テーマ決定と情報収集、②情報の整理・分析、③まとめ・発表、の順に学習を行った。「深一学」では、「調べ学習にしない」や「学ぶことを学ぶ」なども意識させながら指導を行った。

①テーマ決定と情報収集に関わる活動

年度始めに「深一学」のオリエンテーション行い、その後、生徒に興味関心のある領域(①国際問題、②自然・エネルギー、③文化・生活、④心・健康、⑤社会・地域)を選んでもらい、そのアンケート結果をもとにグループ分けを行った。グループが決まったらグループごとにテーマ決定を行い、決定後各グループでテーマの課題解決に向けて情報収集をパソコンやタブレット、書籍などを活用し行った。

テーマ選択では、SDGsの17の目標と169のターゲットを紹介しテーマ決定に参考となるように取り組んだ。ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野「地球市民および平和と非暴力の文化」「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」「異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」がSDGsと関連することの共通理解を図り、3つの分野に関わるテーマに沿った発表が多く見られた。(今年度42グループ)

教師はグループを3つ受け持ち、ファシリテーターとして生徒に関わりグループごとに学習プランや内容を一緒に考え課題解決へ向けて導き、6つのスキルの活用も促しながら活動を行った。

②情報の整理・分析に係わる学習

情報の整理・分析ではグループ討議による情報の共有、収集した情報の比較と分類、比較・分類された情報から仮説や類推などを行い、検証しまた課題について探求していく学習を行った。学習活動を通してコミュニケーションを図れるよう教師は支援し対話の重要性を伝え、調べ学習に止まらず問題解決に繋がるようグループの方向性を見定めながら指導を行った。

③まとめ・発表に係わる学習

まとめ発表に係わる学習では、パワーポイントや模造紙にまとめる活動を行った。情報のまとめ方や見やすさやレイアウトなどをグループで話し合い役割分担を行い責任と他者と協力する態度をもって制作することに取り組んだ。

発表は、学習発表会として11月の最終週から3週に渡り隔週水曜日に14グループずつ発表をおこなった。例年生徒は興味のあるグループの発表を見学していたが、今年はコロナ対策のため生徒の動きを抑えて固定で見学することになった。

発表へ向けての指導内容としては、模造紙に情報をまとめる、パワーポイントを作成する、発表の役割分担、発表のリハーサルなどを行った。発表の最後には、他のグループとの意見交換や質疑応答などで学習を深めることができた。

また今年度は、全国小中学校環境教育研究会及び東京都小中学校環境研究会が主催する、『21世紀「環境の世紀」への提言 持続可能な社会づくりのための環境教育の推進ー環境教育によって育む学力と環境保全意欲ー』に誌上発表で参加した。

最後に、本校では「深一学」とは別に、各教科ESDカレンダーを作成し「深一学」に生かせる学習内容と指導に取り組んだ。また一昨年から「SDGs」の導入を開始し「深一学」のテーマ選択の素材として「17の目標と169ターゲット」の活用を試みている。各グループのテーマがSDGsのどの項目にあてはまるか、確認して表を作りに取り組んだ。

来年度の活動計画

今後の取り組みとしては、継続して「深一学」にESDを取り入れ活動していく。特に持続可能な開発17の目標(SDGs)を推進し、各教科ではSDGsの浸透を目標に取り組み、「深一学」では、領域(①国際問題、②自然・エネルギー、③文化・生活、④心・健康、⑤社会・地域)とSDGsと結びつけ169のターゲットを多く取り入れられるよう指導する。さらに169のターゲットのどの部分に当てはまるかを確認して学習活動が行えるように取り組んでいきたい。ESDカレンダーについては、「各教科のESDカレンダー」と「深一学(総合的な学習の時間)のSDGsの項目を取り入れた表」2種類作成していく。来年度は、169のターゲットの内容に記されているグローバルな問題解決に取り組むことは、内容的に難しいため、できる限りチャレンジしていくが、まずはthink globally, act locallyを目指し生徒の身近な問題、興味関心のある問題から取り組みSDGsが生徒に浸透するよう活動を行っていきたい。