2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費

本校は、「社会と連携してより良い社会を創る」を学校理念としている。ユネスコスクールが提唱する「育てたい7つの力」を、本校では「7つの能力・態度」としてそれらを「生きる力」とらえ「7つの能力・態度」の育成を目標とし活動に取り組んだ。これらの7つの能力・態度を育成するため、学校生活において「6つのスキル」(①コミュニケーションスキル、②情報収集スキル、③比較スキル、④仮説スキル、⑤類推スキル、⑥分類スキル)を意識的に使用するよう指導を行った。

具体的なESDの実践として、「深一学」(総合的な学習の時間)を柱に異年齢集団(3年生から1年生の混成グループ:縦割り)を作り、グループで課題を見つけ課題解決に向け探求学習を行い、グループなりの解決を図っていく問題解決型の学習を行った。学習の具体的な流れとしては、①テーマ決定と情報収集、②情報の整理・分析、③まとめ・発表、の順に学習を行った。「深一学」では、「調べ学習にしない」や「学ぶことを学ぶ」なども意識させながら指導を行った。

①テーマ決定と情報収集に関わる活動

年度始めに「深一学」についてのオリエンテーションとアンケートを行い、領域(①国際問題、②宇宙・自然、③芸術・文化、④人間の心・体、⑤社会・地域)を基準にグループ分けを行った後、グループごとにテーマ決定を行った。決定後は、各グループでテーマの課題解決に向けて情報収集をパソコンやタブレット、書籍などを活用し行った。

教師はグループを3つ受け持ち、ファシリテーターとして生徒に関わりグループごとに学習プランや内容を一緒に考え課題解決へ向けて導き、6つのスキルの活用も促しながら活動を行った。(グループは、今年度全42グループ)

②情報の整理・分析に係わる学習

情報の整理・分析ではグループ討議による情報の共有、収集した情報の比較と分類、比較・分類された情報から仮説や類推などを行い、検証しまた課題について探求していく学習を行った。学習活動を通してコミュニケーションを図れるよう教師は支援し対話の重要性を伝え、調べ学習に止まらず問題解決に繋がるようグループの方向性を見定めながら指導を行った。

③まとめ・発表に係わる学習

まとめ発表に係わる学習では、パワーポイントや模造紙にまとめる活動を行った。その際には、情報のまとめ方や見やすさやレイアウトなどをグループで話し合い役割分担を行い責任と他者と協力する態度をもって制作することに取り組んだ。

発表については、中間発表と学習発表の2回発表を行い、9月の中間発表ではグループ内で途中経過の発表を行い、生徒からの評価と発表の様子を納めたビデオを見た校長先生からの講評を各グループに行い、最終の学習発表へと繋がる活動を行った。

11月の最終発表では、領域を越えて生徒が興味のあるグループの発表を見学できるよう3時間(各週)に分けて発表会を行った。発表へ向けての指導内容としては、模造紙に情報をまとめる、パワーポイントを作成する、発表の役割分担、発表のリハーサルなどを行った。発表の最後には、他のグループとの意見交換や質疑応答などで学習を深めることができた。

最後に、本校では「深一学」とは別に、各教科ESDカレンダーを作成し「深一学」に生かせる学習内容と指導に取り組んだ。また前年度から「SDGs」の導入を開始し「深一学」のテーマ選択の素材として「17の目標と169ターゲット」の活用を試みた。それに伴い各グループのテーマがSDGsのどの項目にあてはまるか、確認して表を作りに取り組んだ。

来年度の活動計画

今年度同様、継続して「深一学」にESDと取り入れ活動していく。特に持続可能な開発17の目標(SDGs)の共有を進めて行く。各教科では、SDGsの浸透を目標に取り組み、「深一学」では、領域(①国際問題、②宇宙・自然、③芸術・文化、人間の心・身体、社会・地域)とSDGsと結びつけ169ターゲットを取り入れられるよう活動していく。本校では、ターゲットの内容に記されているグローバルな問題解決に取り組むことは、難しく扱いにくい面があったため、来年度はできる限りチャレンジしていくが、まずはthink globally, act locallyを目指し生徒の身近な問題、興味関心のある問題から取り組んで行く。ESDカレンダー等については、「各教科のESDカレンダー」と「深一学(総合的な学習の時間)のSDGsの項目を取り入れた表」2種類作成していく。次年度は、特に「深一学」のテーマ選択の際に「17の目標と169ターゲット」を多く取り込んでいけるように取り組む。