2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

人権, 福祉, 健康

明海地区や近隣の工場のベッドタウンとして本校区の町ができてから約45年になる。その当時に引っ越してきた人達は高齢となり,市内の中でも平均年齢が高い校区となった。しかし,児童の多くは親世代が校区に引っ越してきて,祖父母は校区外に住んでいるという割合が多いため,あまり高齢者が多いという認識はもっていない。校区の高齢化と高齢者福祉について学習することで,地域のことを知り,すすんで地域社会に参画していこうとする気持ちを高めていこうと考え,実践を行った。

まず児童や父母,祖父母それぞれにとって大切なことは何か考えたり聞き取りをしたりしたことを話し合った。児童にとって大切なことは,自分自身が楽しく生活していくことという意見が多かった。しかし,父母や祖父母は家族みんなの幸せを願っているという意見が出た。また,祖父母は健康でいることという意見が出てきた。そこで,高齢になると体にどんな変化があるのか調べ学習を行った。

調べ学習をすると,目や耳が悪くなったり,体が動かしにくくなったり,記憶力が低下したりするといったことがわかった。調べた結果をもとに高齢者疑似体験セットを使い,体験する活動を行った。実際に体験したことで,高齢者が生活する中で大変だと思うことに気づき,どのように接していけばよいのか考えることができた。しかし,記憶力の低下はどうなるのだろうと疑問をもつ児童がいた。校区に特別養護老人ホーム「彩幸」という施設がある。認知症について学習を深めるため職員の方を招き,認知症サポーター講座を受講した。受講して「自分たちと心は一緒だから,普段と同じように接することが大切」「高齢者を支えるために住みやすい校区をつくりたい」という感想をもった。

サポーター講座で学んだことをもとに,認知症の人が喜んでくれる接し方について,話し合いを行った。児童は,一緒に遊んだり,話し相手をしたり,一緒に時間を共有していくことが大切だと気づいた。

その後,高齢者が住みやすい校区にするために必要なことは何か考えた。意見交流をするなかで,校区がもっとよくなっていくように考えて行動していくことが大切だと一人一人が気づき,地域に貢献していこうとする意識を高めることができた。

来年度の活動計画

令和2年度に取り組んだ①協働に係わる活動②自己実現に係わる教育③環境問題に係わる教育④他者とかかわり合いながら問題解決にいたる教育については,本校が目標としている「未来をたくましく生き抜く」ための「基礎力・思考力・実践力の育成」につながる取り組みとして少しずつ成果を上げてきている。そのため,令和3年度も引き続きこの活動を継続していきたい。なお,①協働に係わる活動については,特別活動の計画を見直し,取り組み方を精選したうえで,より有効な縦割り班活動を行っていきたい。