2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 食育, 貧困, その他の関連分野

本校は「自然にやさしい、人にやさしい、地球にやさしい」を活動テーマとして、ESDの実践を通して7つの能力・態度(批判的に考える力、未来像を予測して計画を立てる力、多面的・総合的に考える力、コミュニケーションを行う力、他者と協力する態度、つながりを尊重する態度、進んで参加する態度)の育成を目標とした。

具体的には、①地域に関わる学習、②防災に関わる学習、③持続可能な生産と消費、④国際理解に関わる学習に関わる学習を行った。

① 地域に関わる学習

3年生の子供たちは、校区の特徴として湧き水・寺・薬の三つを挙げ、それぞれにどんな良さがあるかを調べる学習を行った。自分が興味をもった特徴について、地域の方の話を聞いたり、現地に行って調べたりすることで、毎日たくさんの人が湧き水を汲みに来る理由や校区に寺が多い理由、売薬さんの功績等が分かり、情報交換を行った。子供たちは、三つの特徴にはつながりがあり、地域の人々の思いや努力が様々な形になって表れていることに気付いている。そして、地域を大切に思う心、人を労る心から、これからの自分を思い描き行動していこうとしている。

② 防災に関わる学習

4年生の子供たちは、昨今の台風、豪雨による全国的な被害状況から防災に意識を向けて学習を行った。地域の「いたち川」の過去の氾濫について地域の方の体験談を聞いたり、資料を調べたりすることにより、どのように川が氾濫し、被害が広がっていくかを知り、災害は身近なところでも起こり得ることを捉えた。また、地域の方々の自主防災訓練等の取り組みについて知り、避難所生活についても考えた。具体的な警戒レベルを設定し、避難所に行くか自宅に残るかについて話し合った。子供たちは、調べ活動や話合い活動で防災に対する自分の考えを構築していった。そして、最終的には、自分たちが安心して避難するための、「自分の防災計画」を立てて防災に対する意識を高めた。

③ 持続可能な生産と消費

5年生の子供たちは、「薬の町富山」を取り上げ、「人」に焦点を当てて学習を行った。薬売りを受け継いできた売薬さん、薬をつくる人である開発者等の「薬の語り部」に話を聞いたり、校区にある薬の商店や工場の見学をしたり、資料で調べたりして、薬の今昔について知った。薬の開発については、時間と予算がかかる中、ジェネリックの開発が薬産業の発展につながっていくことを学んだ。子供たちは、売薬さんの苦労や果たした役割、薬の開発者のよりよいものを目指す姿勢から、何事にもあきらめない気持ちをもつ、世の中に役立つ人になりたいなど、これからの自分の在り方について考えた。

④ 国際理解に関わる学習に関わる学習

6年生の子供たちは、ごみ捨て場で生活している子供や路上で暮らす子供等、世界の子供たちの現状を知り、自分にできることはないかという思いをもち、実行するという活動を行った。子供たちが学校に通い、読み書きができるように取り組む世界寺子屋運動や、使わない服を回収して難民に支援するUNHCRの行っている「服のチカラプロジェクト」やNPOの団体に協力した。この活動を通して、世界の子供たちに物を送ることだけでなく、自分の生活の豊かさと親の愛情に感謝して生きることや、自分の周りにいる身近な人にも優しさを差し伸べることの大切さを学んだ。

 

 

来年度の活動計画

1・2年生

中央小学校のESDのテーマ「自然にやさしい・人にやさしい・地球にやさしい」を意識しながら、生活科の学習を行う。

3年生

校区の自慢を調べ、それらに携わる人々がどのような考えのもと努力をしているのか、わたしたちの暮らしをどのように支えているのかを理解し、自分の「まち」に興味をもって、これからのわたしたちの「まち」の未来について考える。

4年生

高齢者との交流を通して、相手の立場を理解し思いやりをもって接することで、互いが笑顔になることに気付き、自分の周りにいる人々との関わりも考え、実践していく。

5年生

富山の伝統的な産業の一つである「薬業」を取り上げ、薬に関わる仕事や人々の努力への理解を深めるとともに、故郷を大切に思う心を育んで、自分の在り方について考えていく。

6年生

世界の子供たちの現状を知り、子供たちの暮らしの背景を調べたり、自分にできることを考えたりする。そして、自分にできることを計画、実践し、自分の生活や身近な人との関わり方を見直す。