2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

人権

 本校では、これまで継続的な指導目標として「ともに生きようとする」児童の育成を掲げ、その姿の実現を目指して、児童の発達段階に応じた人権教育を計画的に推進してきた。昨年度は「相手を思いやり、分かり合うことができる児童の育成を目指しコミュニケーション能力の向上に重点を置いた指導を進めた。今年度も継続して、他者と関わりながら活動する中で、児童相互の理解をより深めるため、グループ活動や学び合い活動を通して「相手を思いやり、分かり合う」ことができる児童を育てていきたい。例年、学校生活の中で自己肯定感の低さが見られるため、今年度も常時活動で自己肯定感を高める取組を行っていく。そうすることで、これまでも長年、継続的に指導目標に掲げてきた「ともに生きようとする」姿の実現へと近付けることができると考えた。

①育児体験に関わる学習       

[ねらい]思春期に起こる体と心の変化について理解を深めることができるようにする心が大人の成長に向けて変化していくことから互いを認め合い自他の体と心を守る力を身に付けていく必要性があることに気付くことができるようにする。

[内容・考察]4年生では、8月に思春期に起こる成長について体育科の授業を行った。主に大人になるための体の変化が起こることを学習したが、その過程で成長速度の違いや成長度合いの違いなどを理解し、児童からは悩む友達に対する思いやりの声が聞かれた。9月に、「いのちと性を伝える出前講座 はぐ」の臨床心理士のAさんをお招きし、講演をしていただいた。Aさんから、思春期に起こる体の変化について体育科の学習と同じ内容の話があった後、心は脳の発達により成長することを聞き「知らなかった」「だから少しずつ心も成長していくのかと驚きの声があがった。心が変化しやすい時期に友達の心も守るためにどうすればよいかを考える内容があった。どこまで話してよいか、どこまで聞いてよいかはそれぞれの感覚であるため、相手の立場になって考えることの大切さについて学ぶ機会となった。授業の最後に、体の変化に性別ごとの特徴がまとめられると児童からは「心の変化には性別は関係ないと思う」との発言があり、体の大きさや見た目だけでなく、気持ちの部分においても、互いを尊重する大切さを理解したと考えられる。

人権に関わる教育

・ 1130日、全校児童が参加する集会で、校長が「心のブレーキ」について講話した。学校生活である出来事を例に挙げ、けんかやトラブルを避けるために「心のブレーキ」をかけることが大切だと話し、相手への思いやりや気遣いに対する意義について話した。

・ 1130現職教育において「インターネット上の人権問題というテーマで研修を行った。インターネット上で起こるいじめの実態や学校教育でのあり方などを協議し、未然に防ぐために必要な学習内容など共通理解を図った。

 

来年度の活動計画

 「ともに生きようとする」気持ちを高めていくために、今年度も継続して、児童が「相手を思いやり、分かり合う」ことができることに着目して実践を進めてきた。友達と協力して話し合ったり活動したりする中で、相手の立場を考え、分かり合おうとする態度が見られた。その結果、互いを尊重し、寛容な心で接する姿が多く見られるようになってきた。また、自己肯定感が低いことについては、できたことや分かったことを視覚化することで徐々に高まってきているものの、いまだ十分であるとは言えない。今後も自己肯定感を高めるとともに、「ともに生きようとする」ことを目指し、児童の相互理解を深める実践を進めたい。