2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

本校は,「郷土を愛する心と夢を育み,未来を拓く人づくり」を学校理念としている。今年度のESD活動は,自然体験学習を中心にESDの実践を通して自然環境の保全と持続可能な社会のあり方について考える基礎的能力の育成を目標とした。

具体的には,森や山と人間のくらし(中学年)森林のはたらきと保全(高学年)を柱に,①自然を身近に感じる活動として1つの体験学習,②森林や山を知る活動として1つの事前学習,③森林や山に関わる校外活動として2つの登山活動を行った。

 

 

①自然を身近に感じる活動

「コケのテラリウムづくり」

1 日時

令和2年6月23日(火)

2 活動場所

小学校周辺~校舎内ホール

3 目的

身の回りの今まで意識しなかった自然に関心を持たせ,環境保全への意欲を高める。

4 内容

学校周辺のコケを観察・採取し,容器やアクセサリー,フィギュアと組み合わせテラリウムを作った。

 

 

 

森林や山を知る活動

「動物の食害学習会(事前学習)」

1 日時

令和2年7月27日(月)

2 活動場所

芦安小学校(3~6年)

3 目的

標高3000mの高山帯まで鹿が出没し,貴重な高山植物が食害にあっている南アルプスの最新状況を学び,登山活動への事前学習とした。

4 内容

環境省南アルプス自然保護官事務所から,3名の環境保全の専門家に来校していただいて,その最新状況をスライドやデータ,または実物を使って,実際に現場に赴き,見たこと,感じたこと,子どもたちに伝えなければならないことについて学習を深めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森林や山に関わる校外活動

「夜叉神登山」 (3,4学年児童)

1 日時 令和2年9月4日(金)

2 目 的

登山等,野外活動を通して,豊かな自然を体感する。

登山等,野外活動を通して郷土芦安について再認識し,もっと知りたい,調べたいという意欲を高める。

集団行動における約束や公共のマナーを身につける。

学年を超えた集団での活動を通し,感動する心や思いやりの心・協力する心・自律心を育てる。

自然の大きさを感じ,自然と自分の関係について考える基礎的な感性を養う。

「南アルプス自然体験推進事業」の目的を意識させて活動する。

3 活動場所

南アルプス市 夜叉神峠

4 活動を終えて

天候が崩れてくるのが想定できたので,山頂出発を40分早めた。途中合羽を着ることになったが,多少濡れた程度ですんだ。

事前学習では,昨年登山を経験した第4学年の児童が登山の仕方や注意点,夜叉神,カエデの名称について調べたことを第3学年児童に教えるなど,体験活動を言語活動や異学年の交流の場としてとらえ学習を進めることができた。

講師の方に協力していただき,多くの体験ができた。児童にとって普段できない体験で,とても充実した活動になった。また児童から学ぼうとする姿があり,自ら講師の方に質問をして,新しいことを積極的に学んでいた。

一人一役仕事を作ることで,自分の仕事を責任もって取り組むことができた。

あまりにうれしすぎて調子に乗り,開閉会式の態度がよくなかった。

「自然教室(櫛形山登山)」(5,6年児童)

1 日時

令和2年9月10日(木)

2 目 的

南アルプスの自然や文化とそれを取り巻く環境について学び,自然に親しみ大切にしていこうとする心情や態度を養う。

自らの力で最後まで登山をすることで,困難に耐える心身の育成を図る。

公共の場のルールやマナーを学ぶ。

集団生活を通して,人を思いやり,協力することの大切さを理解させる。

3 活動場所

櫛形山

4 行程

7:15芦安小出発(ジャンボタクシー)

8:45池の茶屋登山口・はじめの会,準備体操

9:00登山開始 池の茶屋登山口

10:00櫛形山最高地点

10:30バラボタン平

11:00裸山

11:45アヤメ平避難小屋(昼食)

13:00アヤメ平

15:00みはらし平

15:30伊奈が湖P・到着の会

15:40解散

5 実施状況

児童は,久々の校外学習を楽しんでおり,ファンクラブの方の話をよく聞き,積極的に質問をしていた。草花の最盛期が過ぎてしまっていたが,実施できる中での最善の選択だった。来年以降の実施をどのようにしていくか,コロナ状況等を見て案を練っていかなければならない。

来年度の活動計画

本校のESD全体計画では,「人間と自然環境との問題に目を向け,自然環境の保全と持続可能な社会の在り方について考える基礎的な能力をもつ児童の育成を目指して,低学年,中学年,高学年,中学生のそれぞれの目標を設けている。活動は,生活科,総合的な学習の時間,特別活動に位置付け,児童生徒が探究的に展開できるようになっている。また,地域や保護者との連携を図りながら,地域の特色を活かした内容となっている。小中一貫校として9年間の長いスパンでユネスコスクールとしての取組を見据え,ESD全体計画に基づき,計画的に,より充実させながら活動を実施していく。

 

今年度は新型コロナウイルス感染拡大によって、本校のESD教育も、小中学校児童生徒協同の取り組みが別々での実施となり、1泊2日で行っていた自然体験教室が1日のみに縮小される等、従来から大きく変更せざるを得ない内容が多かった。しかし、令和3年度においては、感染症対策を行いつつ、可能な範囲でこれまでと同じように活動できるよう計画を進めている。