2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境

本校は,「郷土を愛する心と夢を育み,未来を拓く人づくり」を学校理念としている。今年度のESD活動は,自然体験学習を中心にESDの実践を通して自然環境の保全と持続可能な社会のあり方について考える基礎的能力の育成を目標とした。

具体的には,森や山と人間のくらし(中学年)森林のはたらきと保全(高学年)を柱に,①森と山に関わる活動 ②森や山を知り,自然と自分について考える活動 ③森林に関わる体験活動 ④森を守る活動を行った。

① 森と山に関わる活動

「森林学習(事前学習)」

1 日時   令和元年6月6日(木)3,4校時

2 活動場所  

「森林学習」(4~6年,中学1~3年)芦安地区・千段の滝周辺

「自然探検」(1~3年)      芦安小学校周辺及び学校林

3 目的     森林学習を通して,郷土芦安ならびに南アルプスについて再認識し,1・2年生の地域学習(身近な自然),3・4年生の夜叉神登山,5・6年生の栗沢山登山の事前学習として,自然学習への意欲を高めるとともに,芦安周辺をはじめとする南アルプスの自然や伝統文化等の知識を学習する。また,登山の心得や登山に対する知識や準備についても学ぶ機会とする。

4 内容     NPO法人芦安ファンクラブの清水准一先生をはじめ,芦安地域おこし協力隊,動植物に詳しい方々を講師に,南アルプスの山々の自然,樹木や動物,地質等について学習をした。さらに芦安地域の伝統や文化,南アルプスとの関わりについても教えていただいた。また,登山の心得や登山に対する知識や準備についても教えていただいた。

②森や山を知り,自然と自分について考える活動     
   「夜叉神登山」 (3,4学年児童)

1 日時 令和元年6月7日(金)  

2 目 的

・登山等,野外活動を通して,豊かな自然を体感する。

・登山等,野外活動を通して郷土芦安について再認識し,もっと知りたい,調べたいという意欲を高める。

・集団行動における約束や公共のマナーを身につける。

・学年を超えた集団での活動を通し,感動する心や思いやりの心・協力する心・自律心を育てる。

・自然の大きさを感じ,自然と自分の関係について考える基礎的な感性を養う。

・「南アルプス自然体験推進事業」の目的を意識させて活動する。

3 活動場所 南ルプス市 夜叉神峠

4 活動を終えて

・天候にも恵まれ,計画通りの内容を学習することができた。

・森林学習や事前学習を通して,昨年登山を経験している4年生児童が登山の仕方や注意点を確認することができた。さらに南アルプス市に伝わる夜叉神について調べたことを第3学年児童に発表するなどの体験活動を通して,異学年の交流の場で言語能力を鍛える学習ができた。

  夜叉神峠のカエデについて図鑑と樹名板づくりに取り組んだ。自分たちが事前に調

べたカエデの木を発見したり,樹名板を取り付けたりすることができた。

 ・芦安ファンクラブの方々に準備をしていただき,炭焼き釜体験を実際にさせてもらった。昔の人々の生活するための苦労を,身をもって体験することができた。

 ・一人一役仕事を作ることで,自分の仕事を責任もって取り組むことができた。

 ・同じ目的をもって行動しながら,励まし合ったり協力し合ったりすることの大切さを学ぶことができた。

③森林に関わる体験活動

「自然教室(栗沢山登山)」(5,6年児童)

1 日時

   令和元年6月28日(金)~6月29日(土)1泊2日

  

2 目 的

・南アルプスの自然や文化とそれを取り巻く環境について学び,自然に親しみ大切にしていこうとする心情や態度を養う。

・自らの力で最後まで登山をすることで,困難に耐える心身の育成を図る。

・公共の場のルールやマナーを学ぶ。

 ・集団生活を通して,人を思いやり,協力することの大切さを理解させる。

3 活動場所

 1日目 栗沢山方面 長衛小屋宿泊 

 2日目 長衛小屋周辺散策 長衛祭(山開き)参加 長谷小学校(伊那市)交流会

4 行程

《1日目》

学校集合・・芦安小学校発・(ジャンボタクシー)・広河原・(市営バス)北沢峠・・長衛小屋・・出発・・仙水小屋・・仙水峠・・栗沢山頂上・・・長衛小屋着・・入所,片づけ・・夕食・・1日のまとめ・・振り返りの会・・就寝準備・・消灯・・・就寝

《2日目》

起床・・レク・・朝食・・・・周辺散策①(苔,花観察)・・・絵日記記入・・長衛祭参加・・長谷小との交流会(昼食)・・合唱・・北沢峠発・(観光商工課車)・学校着・・解散

  

5 実施状況

・1日目は,天候の悪化が心配されたが,けがもなく,全員が安全に仙水峠・栗沢山頂上まで登頂し,達成感を味わうことができた。

・2日目の午前中は苔や花についての自然学習を行った。コケ探しでは,子ども達は楽しく一生懸命だった。午後は長衛祭に参加し,合唱を披露したり,長谷小学校と交流をしたりすることができた。

6 成果と課題

 ・事前の森林学習で芦安ファンクラブの方に来ていただき,植物や地形について教えていただいた。事前学習で学んだことを,実際に目で見て肌で感じることができたため,ただ登山をするだけでなく,高山植物や地形,地質のことを学ぼうという意欲をもって参加することができた。登山は山のプロが必要だと感じた。心強い。

・登山をしなければ得られない達成感や充実感を十分に味わうこともできた。5,6年生の体力にはちょうど良い登山コースであった。しかし,足場が悪い場所を歩くことが多いため,できるだけ登山靴での参加を保護者に周知する必要がある。

・事前学習で歩き方や友達に対しての言葉がけについて指導したことで,当日も励まし合って登る姿を見ることができた。

・1日目の振り返りの会では,自分で決めためあての反省を行った。反省を班ごと話し合わせることで,1日目にできなかったことを2日目に改善しようという姿勢が見られた。係別の反省もこの会の中に入れるとよい。

 ・2日目の自然学習では,講師の先生に質問をしたり,メモをとったりと,意欲的に学ぶ姿がみられた。

 ・長衛祭では,開山の祖である長衛氏の慰霊祭に参加した。会場の方に学校の紹介・合唱を聞いていただくことができた。また,共に参加の長谷小の子供達とも交流ができた。山に関する自然や歴史について,見聞を広める活動となった。

④森を守る活動

学校林整備活動(全校児童・全校生徒・PTA)

 1 日時  令和元年9月27日(金)

2 作業内容

   学習会(森林・木・林業について)

 学校林整備(伐採,下草刈り,通路の整備,枝やゴミなどの片づけ等)

3 活動を終えて

・作業に入る前に,森の木を成す常緑樹について講師から話を聞いた。葉の付き方や実の付き方など様々な木の特徴を教えていただいた。学校林のヒノキがいかに優れた木で,古くから利用されてきたことを知ることもできた。

・昨年に引き続き学校林での整備作業をした。今年度も「森林を育てる」という目的で伐採,枝打ち,ゴミ拾い等をした。木々が大きく育つように,全員がのこぎりを使って細い木,曲がっている木などを伐採したり,枝打ちをしたりした。伐採した木や,枝打ちした枝は,みんなで協力し学校まで運び,この後の行事である「焼きいも集会」の際に利用した。

来年度の活動計画