2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, エコパーク

本校は,「郷土を愛する心と夢を育み 未来を拓く人づくり」を学校教育目標に掲げ,南アルプスの広大な山林資源と清らかに流れる水を生かした教育活動を進めている。今年度も「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」の分野を通して,自然環境の保全と持続可能な社会のあり方について考える基礎的能力の育成を目標とし,活動を進めてきた。また南アルプスユネスコエコパーク学習を継続して実施し,ユネスコエコパーク内ある芦安地域の森や山などの自然環境と人々の生活の関わりを学ぶことができた。

Ⅰ 自然環境の保全を考える活動

【夜叉神峠登山】(3,4学年児童)
1 日時
令和4年6月10日(金)8:10~15:45
2 目的
・登山等,野外活動を通して,豊かな自然を体感する。                                                                    ・野外活動を通して郷土芦安について再認識し,もっと知りたい・調べたいという意欲を高める。         ・学年を超えた集団での活動を通し,感動する心や思いやりの心・協力する心・自律心を育てる。           ・自然の大きさを感じ,自然と自分の関係について考える基礎的な感性を養う。             ・登山途中のごみ拾いを通して,自然保護の大切さを学ぶ。
3 活動場所
南アルプス市 夜叉神峠
4 活動を終えて
・登山前に雨に降られたが,計画通りの内容を学習することができた。
・事前学習を通して,登山の仕方や注意点を確認することができた。さらに南アルプス市に伝わる夜叉神の物語について調べ,山々は昔から人々と深く関わっていることを学習できた。
・夜叉神峠の樹木の図鑑づくりと樹名板づくりに取り組んだ。自分たちが事前に調べた樹木を見つけ,樹名板を取り付けることができ,自然の中で様々な植物が生育していることを学んだ。
・芦安ファンクラブの方々に準備をしていただき,夜叉神峠に伝わる物語を聞くことができた。
・同じ目的をもって行動しながら,励まし合ったり協力し合ったりすることの大切さを学ぶことができた。

【森林学習】
(1)千段の滝及び地域の文化財巡り(5・6年生)
1 日 時
令和4年5月20日(金)8:30~12:30
2 目 的
・芦安地区の自然や文化に触れ,それらを守ってきた芦安地区の人々の生活を知る。
・身近な自然の素晴らしさを知る。
3 場 所 千段の滝・芦安地区内
4 活動を終えて
・千段の滝では,登山道の整った斜面をゆっくり登ることができた。芦安地区の魅力をまた一つ感じ取ることができ,子どもたちも満足できた。
・瀬戸大橋では,「芦安堰堤」として日本で最初のコンクリート製の堰堤であることを知ることができた。
・諏訪神社や大宝寺では芦安ファンクラブの方の話を聞き,古くから伝わる芦安の歴史を学ぶことができた。

(2)木の実の工作(1~4年生)
1 日 時
令和4年5月20日(金)13:30~14:30
2 目 的
・学校前の林から木の実や枝などを拾い,学校周辺の自然に興味をもつ。
・木の実や枝を活用し,その特徴を生かして工作する。
・ものづくりを通して,自然の豊かさを感じる。
3 場 所 芦安小学校 多目的室
4 活動を終えて
・芦安ファンクラブの方の指導の下,1年生から4年生まで全員が上手に工作し,作品を仕上げること
ができた。
・身近な自然で取れたものを活用することで,学校周辺の環境について学ぶことができた。

【白根御池小屋登山】

1 日 時 令和4年8月28日(日)~29日(月)

2 目 的
・南アルプスの自然や文化とそれを取り巻く環境について学び,自然に親しみ,大切にしていこうとする心情や態度を育てる。
・自らの力で最後まで登山することで,困難に耐える心身の育成を図る。
・公共の場のルールやマナーを学ぶ。
・集団生活を通して,人を思いやり,協力することの大切さを理解する。

3 場 所 芦安地区 広河原~白根御池小屋

4 活動を終えて
・心配された天気も時間を追うごとによくなり,予定していた内容をすべて実施することができた。
・登山の途中で,様々な植物にふれ,芦安ファンクラブの方の説明をしっかり聞いて,それぞれの植物の特徴を学ぶことができた。
・大樺沢の雪渓が溶けていて,夏の間の環境の変化を知ることができた。
・御池小屋前の星空観察では,より近くで星を観察することができ,大自然の素晴らしさを実感した。
・芦安ファンクラブの方の指示をよく聞いて,子どもたちは安全に登山することができた。

Ⅱ 持続可能な社会のあり方について考える活動

【学校林整備事業Ⅰ】(5・6年生)

1 日 時 令和4年4月23日(土)13:30~15:45

2 目 的
・学校林について知り,自分たちの学校林について関心を深める。
・森林を守るための作業を体験する。
・芦安地区でも行われていた林業について知り,森林をはじめ,自然を大切にする気持ちを育てる。

3 場 所 芦安小中学校学校林

4 活動を終えて
・間伐していた学校林の一部にサクラの木の苗を植えた。
・活動を通して,森林を保護することの大切さを学んだ。
・現地までの登山と急な斜面での作業を通して,林業の大変さと昔の人の苦労を感じることができた。

【学校林整備作業Ⅱ】(全校児童)

1 日 時 令和4年9月26日(月)

2 目 的
・学校林について知り,自分たちの学校林について関心を深める。
・森林を守るための作業を体験する。
・芦安地区でも行われていた林業について知り,森林をはじめ,自然を大切にする気持ちを育てる。

3 場 所 芦安小学校学校林

4 活動を終えて
・間伐,枝打ち作業を行うことで,森林を守ることの大切さを学ぶことができた。
・間伐,枝打ち作業を通して出された木々を学校林から運び出す作業を通して,子どもたちは昔の人の大変さを感じていた。
・のこぎりや高枝切り,チェーンソーなど様々な機械を活用することで,より効果的に作業することができることを学んだ。

【南アルプスユネスコエコパーク学習支援事業】

1 日 時 1回目 令和4年5月14日(金)
10:30~12:30
2回目 令和4年7月 6日(火)
8:30~12:30
2 場 所 1回目 学校前 御勅使川河岸
2回目 南アルプス市 伊奈が湖

3 目 的
・学校周辺の自然環境について知る。
・伊奈が湖の周りの自然環境について知り,人と自然,動植物との関わりを学ぶ。
・人と動物と共存していくことの大切さ,自然を大切にすることの必要性を学ぶ。

4 活動を終えて
・学校前を流れる御勅使川にいる生き物について調べ,生物の多様性を知ることができた。
・伊奈が湖周辺の自然を観察することで,同じユネスコエコパーク内にある芦安地区との違いに気づくことができた。
・エコパ伊奈が湖や観光推進課の講師の方の話を聞き,南アルプス市でも様々な面で自然保護を進めていることを学んだ。

来年度の活動計画

来年度も「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」の分野を通して,自然環境の保全と持続可能な社会のあり方について考える基礎的能力の育成を目標としていきたい。また,身近にある学校林を活用し,自然をどう生かしていくか考えるきっかけにしていきたい。また,南アルプスユネスコエコパーク学習については,市の関係機関と連携し,ユネスコエコパーク内ある芦安地域の森や山などの自然環境と人々の生活について継続的に学習を進めていく。