2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 人権, 福祉

本校は多種の樹木が植えられている学校である。それは、開校の時、地域住民がいろいろな樹木の苗を学校に寄付し植栽したからである。樹木は幹・葉・花・実など、それぞれ特徴があり、環境に適応して成長しようとしている。児童が樹木の種類やそれぞれの樹木の違いを知ることは、生物の多様性を認識することである。生物の多様性を認識し、地球上に生きるそれぞれの生き物の特徴や営みを受け入れることは、これからも地球で他の動植物とともに生きていかなければならない人間として、大切で基本的な姿勢である。

そこで本校では、「多様性の認識を軸とした学校と地域づくり」を活動テーマに校内の樹木の多様性を知ることから出発し、様々な多様性について学習活動を展開している。ESDへの取り組みの入り口として、校内の樹木の多様性を知る活動を行っている。さらに、草花や野菜の栽培を通して多様性の認識の範囲を広げ、高学年では国際理解や防災教育まで、多様性を軸とした教育活動を展開したいと考えている。そこで、以下に示す4つの活動を計画した。

(1)植物の多様性を知る活動

① 校内の樹木約80種に樹木名表示器「この木なんの木」を設置する。そして、これを活用して楽しみながら児童が樹木の名前や特徴を覚えられるようにする。

② 「この木なんの木」を活用するため、1年生と4年生では一人一本のお気に入りの木を決め、調べ活動や絵を描く活動を通して、木への関心を高める。その活動を全校にも紹介する機会をつくる。

③ 農園で野菜や花や米を栽培する。自然界では様々な植物がそれぞれの方法で環境に適応しながら生きていることを知る。

児童が自然に親しみながら植物を育てる体験を通して自然の大切さを学ぶ。

(2)人々の多様性を知る活動

① さまざまな職業のゲストティーチャーを教育活動に招く。

② 外国人をゲストティーチャーに呼び、いろいろな国の文化を知る。

さまざまな人々が違った考えや職業をもち、それぞれが幸せを求めて生きていることを知る。

(3)地域や社会の多様性を知る活動

① 自分の住んでいる町の特徴を知り、よりよい故郷になるよう、環境美化や景観づくりの活動を行う。

② 絆コスモスの植栽、芦原駅の側道に種から育てたコスモスの苗を移植する栽培活動を行う。このコスモスの種は東日本大震災で被災した渡波中学校からいただいたものを毎年6年生が栽培し、5年生に受け継いできたものであり、今年で9年目の活動となる。

住む場所により生活や文化が違うことに気づき、他人のためにボランティア活動ができる児童を育てる。

(4)地球規模の環境の変化を踏まえた防災教育

① 年5回の避難訓練の実施。

② 校区合同防災訓練の実施。

本校が津波や洪水に弱い地域に立地していることから、地球規模の環境問題も含め防災教育を展開し、危機に強い人間を育てる。

来年度の活動計画

今年度と同様にESDカレンダーを参考に各教科で取り組んでいく。

総合的な学習の時間の活動計画を立てる。各学年で下に示す単元で、それぞれ目標を定めている。

第3学年では「食育」「環境」をテーマに①おやつと健康、②発見 芦原の秘密、を計画する。①はオクラの栽培や「やまももジャム」づくりやおやつ調べを通して、体のことを考えた食べ物のとり方を考えることを目標にする。②は芦原校区にある公園や鉄道、店などの様々な施設の歴史や秘密を調べていくことで、そのよさに気づき、大切にしていこうとすることを目標にする。

第4学年では「環境」「キャリア」をテーマに①まあるいいのち、②二分の一成人式、を計画する。①は動物の飼育体験や樹木の観察を通して、生命尊重の心を育てることを目標にする。②は様々な職業の魅力を知り、自分の将来について考えることを目標にする。

第5学年では「食育」「福祉」をテーマに①一粒の米、②共に生きる、を計画する。①は米作りの苦労を味わい、食べ物の大切さに気づくことを目標にする。②は保育園との交流を通して、年下の子を支える充実感を味わうことを目標にする。

第6学年では「防災」「福祉」をテーマに①コスモスの絆、②コスモスの道、を計画する。①は自分の命を守ることの大切さを考えること、被災者の気持ちを理解して、共に生きていこうとする気持ちを高めることを目標にする。②は、将来の夢や職業など自分の進路について考えることを目標にする。

年度初めに単元構想図を作り、年間を通して計画的に進めていく。