2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉

本校におけるESD(持続可能な教育)は,「地域から学ぶ」をテーマに,3年生以上の各学年の「総合的な学習」を中心に取り組んでいる。環境教育だけでなく,学年の主な行事との関連を考えて,主たる取り組みを決め,年間計画を立てて取り組んでいる。

3年生…地域学習 4年生…環境学習 5年生…キャリア教育 6年生…国際理解

(1)ESDカレンダーの作成

ESDカレンダーを以下のように作成し,実践に取り組んだ。

カレンダー作成に当たって留意したことは,まず各学年の主たる取り組みに対して,どの時期にどの位時間を使うのかを確認した。今年度のポイントとして考慮したのは,以下の点である。

① 校務分掌上の担当者が変更になったことで,新聞活用の中心を5年生とする。

  ② 国際理解として,どの学年も行う国際交流員を招いての取り組みの他に,外部講師を招いての学習機会を5・6年生に取り入れる。

  ③ 同じように環境教育についても,エコスクールとして取り組む4年生に外部講師を招いての学習機会を取り入れる。また,学校全体としての活動となるように考えていく。

  ④ 情報モラルの視点を入れた学習を全学年で行うように組み入れる。

(2)各領域の取り組み

  ① 地域

    3年生の社会科を補充深化する形で取り組んでいる。年度末には,校区地図を作成している。校区内の歴史的な建物や場所については,自分達で足を運び,取材をしてまとめた。

  ② 国際理解

    今年度は,一宮市の国際交流員や留学生を招いて,イタリアの話を聞く機会を持つことができた。また,各学年で,内容を検討して,それぞれの総合や教科等の内容に関連するようにした。4年生については,環境に取り組んでいるので,それぞれのお国の環境に対する考え方や小学校での取り組み内容を紹介してもらい,自分達の取り組みをもとに質問をして,話を聞くことができた。また,英語活動をALTに来ていただき,全校学級で授業を行った。

    6年生は,社会科の発展として修学旅行の目的地を調べたり,体験したりする活動を「自国理解」として行ってきた。また,日本の伝統を学ぶため,水墨画に挑戦することにした。一宮市の生涯学習課に問い合わせて,外部講師に来ていただき,基本を学んで,各自が創意工夫した作品に仕上げるようにした。さらに,地域の歴史を研究されている方を講師に招き,日本や郷土のすばらしさについて,講演をしていただいた。

  

③ 環境

    4年生では,社会科では環境センターの見学で,環境保全に対する意識を高めた。水や水を育む自然を守ることの大切さについて外部から講師の方を招き,教えていただいた。総合的な学習ではエコスクール運動の一環として,エコレンジャー活動を行った。各クラスで曜日や場所を決め,放課や掃除の時間に節水や節電,ゴミの分別の呼びかけをしたり,各クラスにあるリサイクルボックスの回収をしたりしている。そこで,地球温暖化について外部講師を招いてお話を聞き,学芸会では,環境をテーマに劇化したものを保護者や地域の方々の前で発表した。

その他,学校全体での取り組みとして,「エコキャップ運動」「一人一鉢運動」「地域清掃活動」があり,さらには,委員会活動として「緑のカーテン」,学校に隣接する畑で1~3年生による「サツマイモの栽培」も実施している。

  ④ 福祉

    5年生で,「福祉実践教室」を行っている。他人を思いやるやさしい心を持つ子ども達になるよう夏休みの野外教育活動でも「助け合い」をテーマに入れ,協力し合って活動することができた。3学期には,近くの保育園に行き,交流会を行っている。

⑤ キャリア教育

5年生は,3月に隣接する保育園で保育体験を実施する。児童は園児に読む絵本の読み方や折紙の折り方の練習をして交流に臨んでいる。初めは園児と触れ合うことに戸惑いを見せていた児童も,次第に笑顔で接することができるようになっている。また,園児に対して歌を披露することで学校を代表して,体験を行っていることを強く意識し,6年生へ進級することへの自覚を新たにしている。

  ⑥ 新聞活用

    高学年の毎日の活動として,朝の会での新聞記事紹介を行っている。それをもとに2学期の後半で,今までストックしてきた記事をB紙にまとめていくようにさせる。今年度は,5年生全体で,テーマを決めて,一人一人に取り組ませた。

  ⑦ 情報

    1年生から学年の発達段階に応じて,総合的な学習の時間を含めた教科等で,ワープロソフトやデジカメのデータの取り込みを行い,活用できるようにしている。今年度は,特に「情報モラル」について,5・6年生中心に学習をすすめた。SNSを利用する際にどんなことに注意すればよいのか体験的に学習を行った。また,道徳の授業とも関連させ,モラルの向上を図った。

来年度の活動計画

来年度もESDカレンダーを作成することによって,「総合的な学習の時間」を有効に活用して活動をすすめていきたい。

一方,子供達が自ら学んで行く姿勢を大切にした課題解決学習となる授業の組み立て方(単元構成)をさらに考えていきたい。次年度の年間計画を見直し,核となる体験活動や外部講師導入を組み込んでいき,自らの課題を解決していく授業実践ができるようにしていきたい。

また,本校に入学する児童をみると,外国で生まれ育った児童が増加する傾向にある。

一層,日本の伝統や文化に対する理解を深めるとともに,世界各国の様々な生活,習慣,価値観等について,その違いを認め合える場を設ける必要がある。来年度も今年度の活動をもとに以下のように活動を行っていきたい。