2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費, ジオパーク

【天城学習に係る活動】

本校は、「ふるさと伊豆を多角的な視点で学び、伊豆が直面している課題を知るとともに、地域を活性化させ、持続可能な地域づくりのあり方を考える」を活動テーマとして、ESDを「持続可能な地域づくりを担う人材の育成と地域への提言のための教育」の基盤と捉え、ESDの実践を通して「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーション力」「他者と協力する態度」の育成に取り組んでいる。

具体的には、「共に生きる」「地域のよさを知る」「地域の課題を見つける」「地域に根ざした生き方を考える」「地域を持続可能にするためのヒントを見つける」「地域を持続可能にするための提言」を柱に、以下の6つのユニットで学習を構成し、系統性・連続性を確保した学びを実践している。11月には、これまでの学習で学んだことや地域への提言を発表する「天城学習発表会」を行った。

① 福祉体験学習

地域の福祉施設での体験を通して思いやりの心を育み、福祉の問題を自らの問題として受け止めるとともに、地域の一員として共に生きることの意味を深く考え、行動力につなげることをねらいとする。

「福祉講話」「盲導犬について」「認知症サポート講座」などの講演・体験を経て、福祉について学んだことをまとめ、発表した。

② 自然体験学習

天城山の自然の豊かさを体感し、ふるさと伊豆を愛する心を育むことをねらいとしている。

伊豆ジオパーク推進協議会より講師やジオガイドを招聘し、「船原スコリア丘」「金冠山」「白鳥山」「旭滝」などの火山地形を観察したり、「天城隧道」を見学したりするなど、天城の自然の成り立ちを学んだ。

③ 防災学習

伊豆が抱える防災上の問題を理解し、「自分の命は自分で守る」という主体的な防災意識を育みつつ、地域の持続的な発展のために、人間と自然の共生について具体的な解決法を考えることをねらいとしている。

砂防ダムの見学、避難所設営訓練、DIG(災害図上訓練)、救命講習、自治防災講話や自然災害についての調べ学習などを行い、グループごとに防災対策を考え、発表した。また、これらの活動を通して、静岡県「ふじのくにジュニア防災士」の認定も受けた。

④ 職場体験学習

地域に根ざした仕事を体験することを通して、持続可能な地域にしていくためにさまざまな分野で工夫や苦労を重ねている人々の存在を知り、自己の生き方や将来の生活について関心・意欲を高めることをねらいとしている。

旅館、観光サービス業、販売業、建設業、水産業、動物病院、小学校、市役所等、興味のある職種を体験し、「地域に根ざした仕事を持続していくためにどのような工夫をしているのか」について学習した。また、農業経営者による職業講話を行った。

⑤ 研修旅行

伊豆の自然や観光と比較する視点をもちながら、観光都市として古都の魅力を発信し続けている奈良・京都の魅力を探ることをねらいとしている。

「自然」「特産品」「食」「観光」「環境」など、関心のあるテーマの中から、地域の課題を明らかにするべく個々のテーマを設定し、当日の計画を立てた。本年度は、新型コロナウイルス感染症感染拡大のため、修学旅行が中止となったため、目的地を静岡県島田市方面に変更し、観光や農業について伊豆との相違点をまとめ、伊豆の地域発展について考察した。

⑥ 地域学習

地域を活性化させ、持続可能な地域づくりのための自分なりの解決策を見つけ、行動することをねらいとしている。

「食文化」「観光、食と歴史」「自然との調和」「伝統行事」などのテーマをもって市内の旅館や観光施設、市役所などを訪問して取材を行い、調査したことや提言を整理してまとめた。

⑦ 天城学習発表会

これまでの学習をもとに、自分の考えたこと・地域への提言を行うことで、情報発信の能力、コミュニケーション能力を育む。また、中学生の考えた提言を広く地域へ発信することで、「地域で育まれる中学生・地域に生きる中学校」を具現化する場として設定している。

来年度の活動計画

次年度も、「ふるさと伊豆を多角的な視点で学び、伊豆が直面している課題を知るとともに、地域を活性化させ、持続可能な地域づくりのあり方を考える」を活動テーマとする。

「持続可能な地域づくりを担う人材の育成と地域への提言のための教育」を活動の根幹に据え、ESDの実践を通して「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーション力」「他者と協力する態度」の3つの資質・能力の育成をめざす。

【学習活動】

※3年間の学びを6つのユニットで構成

(1年)

ユニット1 福祉体験学習(共に生きる)

ユニット2 自然体験学習(地域のよさを知る)

(2年)

ユニット3 防災学習(地域の課題を見つける)

ユニット4 職場体験学習(地域に根ざした生き方を考える)

(3年)

ユニット5 修学旅行(地域を持続可能にするためのヒントを見つける)

ユニット6 地域学習(地域を持続可能にするための提言)

【天城学習発表会】

「天城学習発表会」の開催案内を多方面に送付したり、学校ホームページや学校だより等で地域住民に広く案内したりして、さまざまな立場の方に学習の成果を発信する。