2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 人権, 持続可能な生産と消費

 本校は「感動と笑顔あふれる学校」を学校理念として、ESDを生徒、職員の自己実現を叶えるための活動と捉え、ESDの実践を通して、自ら考える力、信頼する心、健やかな体の育成を目標とした。具体的には、人権教育、防災教育、環境・食育を柱に、人間関係づくりに係わる活動、小中連携による引き渡し訓練に係わる活動、学校ファームに係わる学習を行った。

①人間関係づくりに係わる活動
自己理解を経た自己受容は自尊感情を高め、他者理解への基盤となる。他者理解は他者への思いやりを深めるとともに人間としての心の豊かさを育成させ、望ましい人間関係づくりに大きく寄与する。そのために、学校生活アンケート、HQU等の各種のアンケートを活用して、学級における生徒の望ましい人間関係づくりに係わる取組を行った。
②小中連携による引き渡し訓練に係わる活動
坂戸市では、震度5以上の地震発生時には、高校生まで保護者引き渡しすることになっている。そこで、地震発生時の避難の基本行動を理解させ、安全な行動ができる実践力を養い、生徒を安全・確実に、保護者に引き渡す方法を保護者とともに確認・実施する目的で、訓練を行った。訓練では、趣旨を理解し、時間通りに来校してくださり、グランドにおいて整然と訓練を行うことができた。その後、小学校に弟妹がいる生徒は、保護者とともに徒歩で小学校に向かった。小学校においても、中学生は指示をよく聞き、守り、計画通りに訓練を終えることができた。
③学校ファームに係わる学習
環境面において、持続可能な将来が実現できるような価値観と行動の変革をもたらすことを目的に、総合的な学習の時間を使い、地域の保護者や学校応援団と協働した実践として、学校ファームの取組を行った。具体的には、学年ごとに収穫物を決め(1年さつまいも、2年落花生、3年じゃがいも)、畝づくり、種蒔き、間引き、肥料やり、除草、収穫を行った。収穫後は家庭科とも連携し、調理実習を行った(収穫祭)。また、緑化委員会とも連携し、定期的に除草を行った。

来年度の活動計画

 学校理念の実現を図るために、ESDの実践を通して21世紀に生きる地球市民の育成を目的として学校教育を展開していく。各教科(理科、音楽、美術、社会、保健体育、外国語、特別の教科 道徳、総合的な学習の時間)、領域(特別活動、人権教育、教育相談、環境教育、健康教育、安全指導、食育、国際理解教育、情報教育)の全体計画・年間指導計画の中にESDの目標を明記し、ESDの視点から指導内容を取り入れて計画を立てる。具体的には、人権教育、防災教育、食育を柱に、人間関係づくりに係わる活動、小中連携による引き渡し訓練に係わる活動、学校ファームに係わる学習を行っていく。

人間関係づくりに係わる活動
H-QU、人間関係づくりアンケートの各種エビデンスを基にして、学級における生活上の諸問題について主体的に解決する力を育成する。また、坂戸市が推進している学び合いによる授業改善により、学力向上を進めていく。
小中連携による引き渡し訓練に係わる活動
守られる存在ではなく、地域のために何ができるかという視点から、主体的に行動できる存在として、問題解決能力を育成する。来年度は平日実施により、より実践的な取組を進めていく。
学校ファームに係わる学習
保護者や地域と協働した学校ファームの実践を通して、ESDの価値観と行動力の育成を目指す。坂戸市独自の取組である食育とも関連させながら、SDGsの視点を踏まえた学習に拡大していく。

 また、本年度は近隣の筑波大学附属坂戸高等学校が開催された第8回高校生国際ESDシンポジウムを視察する機会に恵まれた。交流や連携を模索して、本校のESD実践の発展につなげたい。