2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は「世界の一員として連帯感と使命感をもって、より良い社会を築くことに貢献する」、を学校理念として、ESDをグローバルマインド育成に不可欠な指標と捉え、その実践を通して、共生の視点と主体的に課題解決に取り組む力の育成を目標とした。2018年度からSDGsに着目し、SDGsへの意識は定着したものとして、2019年度はアクションを起こすことを目指した。日常生活や校内の様々な活動とSDGsの関連について考えて生活する姿勢を育成した。ペットボトル、レジ袋、ストローの不使用など実践している。5月に国谷裕子氏によるSDGsについて、11月には日本エシカル協会の末吉里花氏によるエシカル消費についての講演を聴き、自分達に何ができるか考えた。

①国際理解に関わる活動
2019年度はアメリカ、カナダ、台湾、韓国、オーストラリア、メキシコ、アイルランドの11校との交流活動を実施し、約40名を受け入れた。様々な国の生徒と接して、文化的多様性に対する意識が向上し、国際交流を日常的なものとして意識することができた。

②持続可能な生産と消費に関わる教育
中等科3年生が青森県南部町三八地区で農業体験を行った。農家に生徒4人一組で2泊し、東京の都会生活者である生徒たちが農業の実際に触れ、農産物の収穫までの苦労を知ることにより、より賢明な消費者となることを目指す。また、都会と農村の生活の違いを知ることで、日本の社会の多様性を知る。農家の人々との交流、生産の苦労、日本の農業の実際を学んだ。事前・事後学習により、体験を学びとして深めた。
中等科2・3年生は本校初等科5・6年生と合同で、日本エシカル協会の末吉里花さんの講演を聴き、自分たちが買ったり、手にするものが、どのように環境に関わり、世界と関わるかについて学んだ。どのように商品を選ぶことが地球全体のためになることなのかを考える機会とした。

③人権・平和に関わる学習
中等科1年生の総合的学習において、「ハンナのかばん」の活動を行った。「ハンナのかばん」は、第2次世界大戦中に迫害されたユダヤ人少女の所持していたかばんをもとにホロコーストについて書かれた本で、著者であり、NPO法人ホロコースト教育資料センター理事である石岡史子氏を真なき、講演会を行った。生徒は事前に本を読み、ホロコーストについて学ぶ。話し合いも行い、人権意識を高め、個性の多様性を認めることへと視野を広げる活動とした。

④福祉に関わる学習
奉仕活動・ボランティアは全校的な活動としている。弱い立場にある人々への意識を高め、実践に取り組んでいる。
中等科2年生の総合的な学習では、「いのち」を大きなテーマとし、障害のある人々との共生の姿勢の育成を目指した。視覚障害について専門家を招き、点字を学び、障害のある方の体験談も聞く機会を設けた。筑波大付属視覚特別支援学校の文化祭を訪問し、視覚障害のある生徒達の活動を見学した。中等科3年生は高齢者体験も行い、車いす実習、疑似体験も実施し、共感できる姿勢の育成に努めた。学級ごとに高齢者施設を訪問した。立場の異なる人々と共に生きる姿勢を育むことに努め、生徒が個人でもボランティアに取り組み、関わりを持つことのできる力をつけることを目指した。
日常的にも、奉仕活動委員会の活動として、高等科と協力し、毎月の募金、リサイクル活動などを行い、支援の実践としての成果をあげることができた。

来年度の活動計画

2020年度は本校の理念に基づき、グローバルマインドを育てる教育の一環としてSDGsについて一層の理解を深め、実践活動を促し、生徒が主体的に取り組む姿勢を育てる。全校的にSDGsについて意識を高め、日常的に取り組み、各教科、諸活動においても創意工夫を求めたい。よい取り組みについては全校的に共有していく。SDGsを通して、生徒の課題解決能力を高め、世界の課題に主体的に取り組む姿勢を育てたい。

学校全体としてSDGsに基づく運営を目指し、再生可能な電力使用、プラスティックフリー化を進める。

継続的に実施してきた活動も実践しながら、ユネスコスクールとしての観点からの見直しをはかり、グローバルな視点から本校の教育を捉え直したい。それにより、目先の結果にとらわれず、アクティブに活動する、グローバルマインドをもった女子を育てることを目指していきたい。