2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「世界の一員として連帯感と使命感をもって、より良い社会を築くことに貢献する」ことを学校理念として、ESDをグローバルマインド育成のための諸活動に不可欠な指標と捉え、ESDの実践を通して、共生の視点と主体的に課題解決に取り組む力の育成を目標とした。その一環として2019年度は特にSDGsに着目し、従来のESDの活動をより一層活性化した。2030年の世界を担う者としての主体的な姿勢の育成に努めることを目指した。

 SDGsへの意識付けとして、卒業まで継続して課題とする項目を各学年に指示した。日常生活や校内の様々な活動がSDGsとどのように関連しているかについて考えて生活する姿勢を育成した。

 具体的には、文化的・宗教的多様性、平和の構築、持続可能な発展を柱に、①国際理解に係わる活動、②平和の構築に係わる教育、③世界遺産に係わる学習、④福祉に係わる学習を行った。

①  国際理解に係わる活動

2019年度は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、台湾、韓国、アイルランド、メキシコの11校の学校との交流活動を実施し、約40名の外国人を受け入れることができた。年間を通じて様々な国の生徒と交流することにより、文化的多様性に対する意識が向上し、国際交流が学校生活における日常的なものとして意識されるようになった。語学研修として、高等科1・2年生対象にオーストラリア語学研修を実施し、現地の学校に通い、ホームステー生活を通して英語力を高め、国際感覚を養った。また、海外体験学習として、高等科2・3年生対象にカンボジアへの研修旅行を実施し、様々な現実に触れ、現地の子どもたちや高校生と交流する機会をもち、持続可能な発展について考える活動とした。

②   平和の構築に係わる教育

高校2年生で長崎研修旅行を実施し、被爆体験者の講話、原爆資料館の見学を通し、平和の構築について学ぶ機会とした。

上記カンボジア体験学習においても、ポル・ポト政権時代・内戦もテーマとし、事前学習の上に史跡を訪れて現場から学ぶ姿勢で、平和の構築の重要性を学ぶ機会とした。

③  世界遺産に係わる学習

長崎研修旅行では長崎、天草、平戸のキリシタン遺跡の見学を行った。

カンボジア体験学習において、アンコールワット遺跡群を見学し、遺跡修復について現地の専門家から学ぶ機会をもった。実際に修復体験も行った。

④  福祉に係わる学習

奉仕活動・ボランティアは全校的に係わる重要事項としている。弱い立場にある人々への意識を高め、実践できる活動に取り組んでいる。

継続的な活動として、各学年においてテーマをもって活動している。中等科2年生では、障害のある人々について学習し、交流活動を行う。中等科3年生では、高齢者について学び、施設訪問も行う。この経験を活かし、高等科では高齢者施設への訪問、身体障害・知的障害のある方々の施設での宿泊ボランティアを実施している。日常的にも、奉仕活動に係わる委員会の活動として、毎月の募金、リサイクルなどを行い、支援の実践としての成果を上げることができた。

来年度の活動計画

2020年度も本校の理念に基づき、グローバルマインドを育てる教育の一環としてESD、特にSDGsについて一層の理解を深め、実践につながる活動を促し、生徒が主体的に取り組む姿勢を育てる。全校的にSDGsについての意識を高め、日常的な取り組み意識とし、各教科、諸活動においての創意工夫を求めたい。よい取り組みについては全校的に共有していく。SDGsを通して、生徒の課題解決能力を高め、世界の課題に主体的に取り組む姿勢を育てたい。

学校全体としてSDGsに基づく運営を目指し、再生可能な電力使用、プラスティックフリー化を進める。

継続的に実施してきた活動も実践しながら、ユネスコスクールとしての観点からの見直しをはかり、グローバルな視点から本校の教育を捉え直したい。それにより、目先の結果にとらわれず、アクティブに活動する、グローバルマインドをもった女子を育てることを目指していきたい。