2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 世界遺産・地域の文化財等

本校は,「地域の伝統芸能文化継承」と「学校林保全活動」を活動テーマとして,ESDを伝統芸能文化学習および環境保全学習の機会と捉え,ESDの実践を通して生徒相互と地域に対するコミュニケーションを推進しつながり尊重する態度の育成を目標とした。具体的には,地域文化体験講座・二川宿本陣まつり・学校林保全活動を柱に①地域の伝統芸能文化を体験する学習②地域の人に貢献し関わる教育③環境保全に関わる活動を進めたが、年度途中でさくら樹勢回復活動とリトアニア共和国との教育交流も加わり④国際理解でも成果を挙げた。

① 地域の伝統芸能文化を体験する活動

地域文化体験講座は,9月15日(土)文化発表会の午前中行事として,生徒から希望を募り21講座を実施した。篠笛・わら草履づくり・茶道・つるし飾りづくり・竹細工・折り紙・生け花・和太鼓の体験学習と二川宿本陣・普門寺の歴史学習を通して地域の伝統文化や歴史に親しみ,またそれらの作法を習得することで伝承への意欲を高めた。また,11月4日(日)に実施された「二川宿本陣まつり」では,篠笛の演奏・わら草履づくりの実演に加え本年度の計画に示した資料館で解説をするボランティアガイドを本年より始め,発信する力を発揮した。

《①-1 街道をゆく篠笛》     《①-2 本陣まつりのボランティアガイド》

② 地域の人に貢献し関わる教育            

 「二川宿本陣まつり」では,①に記した習得した伝統芸能の発信に加え,2年生が総合的な学習の時間に学習した成果を発表した。大名行列には40名が参加し,江戸文化絵巻を見守る観衆に披露した。また,メインステージが設置される本陣

資料館前の広場では,本陣茶屋として来客への無料茶の

サービス・農業豊橋を支える地元野菜の販売・寒さを凌ぐ

みたらし団子や汁粉販売で共催イベントとして祭りを支え

る。作業学習で作った雑巾を販売する7・8組生徒や時代

劇メドレーを演奏する吹奏楽部も,祭りを盛り上げている。    《②毛鎗の演技》

③ 環境保全に関わる運動

 学校林は,校区の北に位置し地盤の安定と国土緑化に貢献している。触れなければ知らずに終わることだが,林が安全で豊かな生活に貢献していることを私たちは「学校林保全活動」を通して知る。この活動は「岩屋緑地に親しむ会」の皆さんが講師と支援をしてくださる。2月2日(土)予定行事のため見込みだが,健全な間伐状態を作るための下草刈りと倒木の切り出しを行う。昨年度の会で切り出した木に菌打ちしたなめこは現在育成中で,平成31年度の本陣茶屋で販売を予定している。

 また,二川さくら守の会から中学校地を囲む桜がてんぐ巣病にかかっているので手当の必要があると連絡をうけた。生徒にボランティアを募ったところ32名が集まり,12月15日(土)に樹勢回復活動を実施した。桜の名所づくりアドバイザー松井章泰さんからソメイヨシノがクローンであるために前線ができることやボランティアについての興味深いレクチャーを受けた後,罹患した枝の切除・薬剤塗布・施肥等の作業を行った。作業終了後は,和食店板長の特製さくらうどんが振る舞われた。

《③さくら樹勢回復活動》        《④リトアニア共和国との教育交流》

④ 国際理解

 パートナーシップ協定があるリトアニア共和国から音楽学校39名が来校し,11月14日(水)に教育交流(合唱交流会)をすることになった。合唱部は季節部として9月に活動を始め,外部講師田辺菜美子先生(二期会ソプラノ歌手)の指導のもと「夜明けから日暮れまで」を練習した。本校体育館で歓迎するために,日本代表兼二川らしさでオープニングアクトに決まったのは,地域文化体験で学び本陣まつりで上演した篠笛と,柔道・剣道・弓道・相撲の4武道試技だった。生徒は,リトアニア生徒の合唱の可能性を越えた表現力に感動するとともに,給食交流とあわせ時間を共有した喜びで胸がいっぱいだった。

来年度の活動計画

 本年度,ESDパスポートの運用を全校生徒対象にスタートした。ボランティア活動参加への意欲づけとして効果を狙っている。生徒が地域に出て活動することを自治会等の集まりで説明したところ,地域の活動で生徒参加を期待する声が多数寄せられた。従来の活動に加え,地域からの要請にも応え進めていこうと考えている。