2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 健康, 食育, 貧困

深一学発表本校は、「社会と連携してより良い社会を創る」を学校理念としている。ユネスコスクールが提唱する「育てたい7つの力」を、本校では「6つの能力・態度」としてそれらを「生きる力」とらえ「6つの能力・態度」の育成を目標とし活動に取り組んだ。これらの6つの能力・態度を育成するため、学校生活において「6つのスキル」(①コミュニケーションスキル、②情報収集スキル、③比較スキル、④仮説スキル、⑤類推スキル、⑥分類スキル)を意識的に使用するよう指導を行った。

今年は、新型コロナウィルスの影響のため当初計画されていた授業時数20時間から18時間と変更になった。

本校では、総合的な学習の時間で「深一学」を行っており、その「深一学」の中でESD教育を行っている。異年齢集団(3年生から1年生の混成グループ:縦割り)を作り、グループで社会問題などのテーマを選択し課題解決に向け探求学習を行う問題解決型の学習を行った。学習の具体的な流れとしては、①テーマ決定と情報収集、②情報の整理・分析、③まとめ・発表、の順に学習を行った。「深一学」では、「調べ学習にしない」や「学ぶことを学ぶ」なども意識させながら指導を行った。

①テーマ決定と情報収集に関わる活動

年度始めに「深一学」のオリエンテーション行い、その後、生徒に興味関心のある領域(①国際問題、②自然・エネルギー、③文化・生活、④心・健康、⑤社会・地域)を選んでもらい、そのアンケート結果をもとにグループ分けを行った。グループが決まったらグループごとにテーマ決定を行い、決定後各グループでテーマの課題解決に向けて情報収集をパソコンやタブレット、書籍などを活用し行った。

教師はグループを3つ受け持ち、ファシリテーターとして生徒に関わりグループごとに学習プランや内容を一緒に考え課題解決へ向けて導き、6つのスキルの活用も促しながら活動を行った。(グループは、今年度全42グループ)

②情報の整理・分析に係わる学習

情報の整理・分析ではグループ討議による情報の共有、収集した情報の比較と分類、比較・分類された情報から仮説や類推などを行い、検証しまた課題について探求していく学習を行った。学習活動を通してコミュニケーションを図れるよう教師は支援し対話の重要性を伝え、調べ学習に止まらず問題解決に繋がるようグループの方向性を見定めながら指導を行った。

③まとめ・発表に係わる学習

まとめ発表に係わる学習では、パワーポイントや模造紙にまとめる活動を行った。情報のまとめ方や見やすさやレイアウトなどをグループで話し合い役割分担を行い責任と他者と協力する態度をもって制作することに取り組んだ。

発表は、学習発表会として11月の最終週から3週に渡り隔週水曜日に14グループずつ発表をおこなった。例年生徒は興味のあるグループの発表を見学していたが、今年はコロナ対策のため生徒の動きを抑えて固定で見学することになった。

発表へ向けての指導内容としては、模造紙に情報をまとめる、パワーポイントを作成する、発表の役割分担、発表のリハーサルなどを行った。発表の最後には、他のグループとの意見交換や質疑応答などで学習を深めることができた。

最後に、本校では「深一学」とは別に、各教科ESDカレンダーを作成し「深一学」に生かせる学習内容と指導に取り組んだ。また一昨年から「SDGs」の導入を開始し「深一学」のテーマ選択の素材として「17の目標と169ターゲット」の活用を試みている。各グループのテーマがSDGsのどの項目にあてはまるか、確認して表を作り取り組んだ。

④新たな取り組み

今年度は、2学年が「深一学」とは別に総合的な学習の時間(10時間)の中で「チャレンジ my SDGs」と題し、SDGsを知り探求学習をテーマとすることにより、グローバルな視野をもち様々な問題に対して、自分の事として考える資質を育むことなどを目的とし学習に取り組んでいる。まず1つ目に、グループで探求学習を行い文化的な学習発表会を(小規模の文化祭)通して映像や掲示物にまとめ発表することができた。2つ目に個人で探求学習を行い発表する活動を行っている。活動内容は、【1時限目:SDGsの説明(映像)※関心のある目標を3つ選択させる。2時限目:生徒の選んだ目標の映像を見させ、各自のテーマを決定する。3時限目:探求学習の基本・発表の形態について。4時限目~7時限目:探求学習・まとめ。8時限目~9時限目:発表会。10時限目:まとめ。】現在も進行中である。

発表は、パワーポイントやレポート形式、模造紙を活用して5分間行う予定となっている。令和3年1月8日現在まだ活動は継続しており、2月の上旬に全発表が終わる予定となっている。

来年度の活動計画

今年度同様、継続して「深一学」にESDを取り入れ活動していく。特に持続可能な開発17の目標(SDGs)の共有を進めて行く。各教科では、SDGsの浸透を目標に取り組み、「深一学」では、領域(①国際問題、②自然・エネルギー、③文化・生活、④心・健康、⑤社会・地域)とSDGsと結びつけ169ターゲットを取り入れられるよう活動していく。本校では、ターゲットの内容に記されているグローバルな問題解決に取り組むことは、難しく扱いにくい面があったため、来年度はできる限りチャレンジしていくが、まずはthink globally, act locallyを目指し生徒の身近な問題、興味関心のある問題から取り組んで行く。ESDカレンダー等については、「各教科のESDカレンダー」と「深一学(総合的な学習の時間)のSDGsの項目を取り入れた表」2種類作成していく。次年度は、「深一学」のテーマ選択の際に「17の目標と169ターゲット」を多く取り込んでいけるように取り組む。