本校では、この地域がもつ森林資源という持続可能な開発資源について知ることや、次世代へその資源を残していくこと、資源を再利用する必要性などを環境教育の一環として学び、資源の有効活用や持続可能な開発について考えられることを目標とした。このことはESDの持続可能な開発のための教育の理念に合致するものであると考えている。地域の未来像を予想して計画を立てたり、里山環境の保持し活かすために多面的に考えたりすることは持続可能な社会作りについて考えるきっかけとなると考えている。また今年度は少しずつユネスコスクールとしての取組も広げていこうとして、地域社会に貢献する福祉的な活動や国際理解についての取組を始めた。環境教育を中心とした活動から、視野を広げてさまざまな活動に取り組むことを目標とした。
以上のように①里山環境の森林資源について学ぶ学習、②地域社会に貢献する活動、の2点を主な活動とし、③異文化についての受容や共感を養うことをねらいとした生徒の自治的活動を行った。
① 里山環境の森林資源について学ぶ学習
本校の学区は広く、その中には、森林を多く含み、「学校林」も所有している。そこで1年生は環境学習として、地域の自然体験施設で野外調理を行ったり、森林組合の方に樹木の伐採方法や、里山の管理方法、日常の業務内容などについてお話をしていただいたり、実際にチェーンソーを使った体験を行ったりした。また、ボランティアを募って下草刈りを行うなどの管理を行ったり、技術の授業では大きく育った杉やヒノキを利用して、丸太ベンチやプランターの制作を行ったりもしている。この学習の中で生徒は加工技術だけでなく、樹木が木材として利用できるまでに育つ年月や特性、森林の手入れなどについても学ぶ。
② 地域社会に貢献する活動
技術の授業で制作した丸太ベンチやプランターは学区や近隣の施設に寄贈し、多くの方に使用していただいている。さらに、長く安全に使用していただけるよう、定期的にニス塗りを行ってもいる。また、ボランティアで普段お世話になっている地区センターの清掃活動を行うなど、地域社会との関わりを大切にしている。
③ 異文化についての受容や共感を養うことをねらいとした生徒の自治的活動
本校はユネスコスクールに加盟してまだ4年目という歴史の浅い学校であるため、ユネスコスクールとしてどのような活動ができるか模索中である。そこで、生徒会活動としてユネスコ委員会を組織し、どのような活動ができるか生徒と共に考えながら進めている。今年度は生徒の提案で、世界の国々についての理解を深めようと、「ユネスコ国当てクイズ」を実施した。ある国に関するヒント(地理的なことや文化に関することなど)を少しずつ提示し、どの国なのかを考えるクイズである。多くの生徒が積極的にクイズに挑戦し、世界について知ろうとする姿勢が見られるようになった。また生徒がユネスコに関する「ユネスコクイズ」を作成し、昼食時に放送した。
平成31年度は今まで継続してきた地域資源や地域人材を活かしながら環境教育を中心に進めていく予定である。特に前期は本校独自の学校林や里山環境から学ぶ持続可能な森林資源の開発という内容は継続しながら、日常でも行うことができるエネルギーの節約などの環境への取組を向上させていく予定である。