本校は、「自ら考え行動できる子」を教育目標として、ESDを「持続可能な社会づくりに向けた教育」と捉え、ESDの実践を通して、未来像を予測して計画を立てる力、他者と協力する態度、進んで参加する態度、つながりを尊重する態度などを育成することを目標とした。 具体的には、生活科・総合的な学習の時間・特別活動を核とし、①エネルギーに係わる学習、②環境問題に係わる学習、③生物多様性に係わる学習を行った。 ① エネルギーに係わる学習 第6学年「エネルギー~発電について考えよう~」では、SDGsを一つの手がかりとして、国際社会の問題を自分たちの問題として考えた。第5学年で学習した「地球温暖化の問題」からエネルギーに焦点を当て、環境にやさしい発電を広めることをゴールイメージとして取り組んでいる。 探究活動1ではエネルギーの有用性についての理解を深め、探究活動2では自然エネルギーでつくった電気を使った楽しい活動を実行した。今年度は、企業や近隣の小学校と連携し、児童が発電しためた電気を使って、学区内にある駅のイルミネーションを点灯させる取り組みが実現した。 ② 環境問題に係わる学習 第5学年「見つめよう環境問題」では、自分たちの生活と関連付けながら学習を進めた。地球規模の環境問題も自分たちの生活とつながっていることや、自分たちの行動が世界の人々や地球の動植物などすべての命とつながっていることに気付けるよう、教科横断的なカリキュラムとして取り組んだ。 授業では、内容や質に関する振り返りを重視したことで、自分が追究したい課題についての解決方法を見直したり新たな疑問をもち追究したりする態度が身に付いた。 ③ 生物多様性に係わる学習 第4学年「わたしたちの多摩川」では、多摩川での活動を通して、環境について自分の考えをもち、できることを考え行動しようとする態度を育てることをねらいとして学習を進めた。多摩川でのガサガサをはじめとする様々な体験活動を行ったことが、多摩川の楽しさや自然の大切さ、多摩川を愛する人々の思いを知ることにつながった。また、多摩川と他地域の川を比較してそのつながりに気付いたことにより、環境保全への意識が高まってきた。今後は、多摩川を守るための活動を発信する予定である。 この学習を通して、児童は目的を意識しながら活動を行うことができるようになった。また、他者の意見を聞いて自分の課題を更新し、さらなる課題設定をすることができるようになった。今後は、集めてきた情報を整理・分析する力を育てていく必要がある。