① 地域の環境と防災に係わる活動 1学年は、東日本大震災によって悪化した身近な地域の環境を知り、震災時の避難の仕 方や災害発生時に対応できる力を養うことをねらい、防災マップづくり、救急救命講習などを行った。 防災マップづくりでは、初めに地域共同教育プラットフォーム事業の活用や自主防災組織連絡協議会会長、NPO法人の方を講師に迎え、通学路の危険個所調査の視点を学んだ。生徒を9つの班に分け、災害時における避難経路について自治会長らに同行していただきながら、危険個所調査のフィールドワークを行った。班ごとに確かめたことをレポートにまとめ、学年で発表会を行った。また、各地で相次ぐ自然災害から市のハザードマップについて学習し、校内の防災対策を調べた。新しい避難経路や校地内にある備蓄倉庫が4階にも設置すべきであるなど、生徒が疑問や課題に感じたことを探究し、ポスターセッションで報告した。
② 人との関わりを通して生き方を考える学習 2学年は、将来なりたい職業や関心のある職業について考え、市内33ヶ所の事業所で2日間の職場体験学習を実施した。地域の方との交流を通して働くことや学ぶことへの関心を高めさせ、生き方についてじっくり考える力を養い、自己理解を深めさせた。また、職業体験学習の際には、各事業所での防災対策や避難の仕方についても学習した。体験を通して学んだ職業観や生き方について、生徒一人一人が保護者を前に立志式で発表を行う。
③ 共生に係わる学習 3学年は、地域の人々との関わりや協働的に活動することを通し、地域の一員として自分の役割や責任を果たす力、また態度を養うよう、市営住宅の住民の方々と交流学習を行った。交流活動を始めるにあたり、少子高齢化が進む気仙沼市の地域的な課題を考えるため、 NPO法人の方を講師に招き、認知症とは何かや家族が認知症になった場合の接し方について体験活動を通し、地域社会の中で「共に生きる」ことの大切さについて学習した。交流学習では、自治会長、市役所危機管理課職員の方の協力を得て、市営住宅に居住されている高齢者の方と昔遊びや、団地内にある公園のベンチを竈に組み立て直し、サバメシづくりを行った。併せて団地内の清掃ボランティア活動を行い、地域の一員として自分に何ができるのかどのような役割が果たせるかなど、地域づくりに貢献できる人材育成を行った。