本校では、「心身ともに健康で、意欲的に活動する子供の育成」を学校教育目標として、ESDをその具現化の一つと捉え、実践を通して「地域の人・自然・ものとのつながりを大切にし、自分にできることを考え、進んで取り組む子供の育成」を目標とした。具体的には、①生活科や総合的な学習の時間を中心としたESDに関わる学習、②ボランティア活動、③地域行事への参加による郷土への関心や愛着を深める取組である。 ①生活科や総合的な学習の時間を中心としたESDに関わる学習1年「ぼく・わたしのあさがお」 各自がよいと思う方法であさがおを継続的に栽培することを通して、その変化や生長の様子に気付いたり、関心をもって世話をしたりするなど、親しみをもってあさがおと関わることができた。また、その共通の経験を経て、考えをもったり聞き合ったりすることもできるようになった。2年「めざせ 野さい作り名人」 自分の思いや願いをもって野菜を選び、栽培活動に継続的に取り組むことを通して、野菜に対して愛着をもち、責任をもって育てることを学んだ。困難に直面したり、いろいろな方法を体験したりすることを通して、自分の力で栽培する面白さや達成感をあじわうことができた。3年「神通碧のすてき」 校区の「すてき」を見付け、自分の特にすてきだと感じる物についてよく知り、広める活動を通して、地域と自分の関わりを見つめ直す活動に取り組んだ。4年「我が家のECO大作戦!」 ECOについて学び、自分なりのECO大作戦を考え、実行し、振り返ることを通して、環境を守るために自分にできることをしていこうという意識を高めることができた。5年「デイサービスに行こう」 校区にあるデイサービスセンターに継続的に出かけ、各自ができることを考え、実践する活動に取り組んだ。途中からは、「来所される方にも笑顔になってもらいたい」という願いに向かってできることを考えるようになった。継続的に来所者の方とふれあうことによって、各自が人との関わり方や行動に移す勇気について考えることができた。6年「地域のみなさん、学校へいらっしゃい。」 本校併設の楡原中学校の1年生と合同で取りくんだ。「地域の方々にもっと学校へ関心をもってきてもらいたい」という願いに向かって各自ができることを考え、体育大会や学習発表会にきていただけるようにアイディアを出し合って活動に取り組んだ。②児童のボランティア精神を養う取組 「だれかのために自分にできることを考え、進んで取り組む」ことのよさを知る活動として、本校併設の楡原中学校の生徒と本校の5・6年生で校区の駅や国道、森林公園の清掃や整備作業に取り組む小中合同ボランティア清掃を行った。また、世界寺子屋運動の一環として書き損じハガキの収集活動への参加等身近で継続したボランティアができるように進めている。③地域行事に参加することによって郷土への関心や愛着を深める 地域実施されている三つの地域興し行事(「猪谷関所飛越ふれあい祭り」「細入まつり」「ごへい祭り」)において、4年生以上の全員が参加するブラスバンドクラブが演奏を披露している。この行事での演奏が貴重な発表の場であるため、児童は地域の方々に聞いてもらえることを楽しみに活動している。毎回、多くの方が来場され、拍手をいただいたり、温かく見守っていただいたりしながら、子供たちも地域への愛着を深めている。近年では、ESDの実践で得た成果を地域の方に伝える場としても活用している。